- LINEでDXを進めたいけど、何から始めればいいのかわからない
- 自治体/自社ではどんなLINE活用ができるのか知りたい
- DXの必要性は感じているものの、大規模な取り組みまでは手が回らない
そんな悩みを抱える担当者は多いのではないでしょうか。
LINEは、利用者数1億人を超える国民的なコミュニケーションアプリです。自治体や企業でも活用が広がっており、問い合わせ対応や予約・申請案内など、さまざまな場面でDX推進に役立てられています。
一方で、「どの業務に活用すべきか」「どのように運用すればよいか」がわからず、導入に悩むケースも少なくありません。
そこで今回は、LINE公式アカウントでDXを推進するメリットや活用方法をはじめ、申請や案内を仕組み化する方法・事例もあわせて解説します。
LINEでのDX推進|自治体や企業が抱える課題
自治体や企業でDX推進の必要性が高まる一方、現場では思うように進まないケースも珍しくありません。
自治体向けの課題調査では、「職員のITスキルが不足している」という回答が最も多く、63.7%でした。次いで「職員が使うIT機器が古い・不足している」「利用者向け端末が足りない」といった声も挙がっています。
企業向け調査でも「DXを推進する人材が不足している」が48%、「日々の業務に追われ将来の課題に取り組む余裕がない」が43%でした。

出典:SmartHR調べ(https://smarthr.jp/release/20251023_research/)
DX推進において、自治体や企業が抱える主な課題は以下のとおりです。
- 日常業務の負担が大きい
通常業務に追われる現場では、新しい施策の検討や改善に時間を割きにくくなります。目の前の対応が優先され、案内の見直しや導線設計まで手が回らない状況も少なくありません。 - DXを推進する人材や知見が不足している
DXを進めたいと思っていても、設計や導入の進め方がわからず、検討が止まりやすいのが現状です。必要性は理解していても、設計や導入を主導できる担当者が限られ、前に進みにくい場面が多いといえます。 - デジタル化に必要な環境整備が追いついていない
自治体では、職員が使うIT機器や、利用者向け端末の不足も課題として挙がっています。企業でも既存システムや受付環境が整っていない場合、いきなり大がかりなDXを進めるのは困難な状況です。
こうした課題を解決する手段として注目されているのが、LINEのビジネス用サービス「LINE公式アカウント」です。
DX推進の課題解決にLINEが向いている理由
DX推進では、人材不足や日常業務の忙しさ、環境整備の遅れが壁になりやすいものです。こうした状況では、大規模なシステム導入よりも、現場や利用者が取り入れやすい手段から始める視点が欠かせません。
LINEがDX推進の入口として向いている理由は、以下のとおりです。
- 専用アプリを用意せずに始められる
- 情報発信や問い合わせ対応に活用できる
- 小さく始めて改善しやすい
つまりLINEは、自治体や企業が抱える「人手が足りない」「何から始めればよいかわからない」「環境整備に時間がかかる」といった課題に対して、現実的に取り入れやすいDX推進の手段といえます。
LINE公式アカウントでDX化するメリット
LINE公式アカウントは、情報発信にとどまらず、自治体や企業の業務効率化にも活用しやすい点が強みです。
ここでは、DX化に役立つ主なメリットを解説します。
- 窓口対応・予約・問い合わせ導線を整理できる
- 身近なツールだから利用者に案内しやすい
- 組織で情報共有が行える
詳しい内容を見ていきましょう。
窓口対応・予約・問い合わせ導線を整理できる
LINE公式アカウントに問い合わせ窓口や予約、各種案内をまとめると、利用者は必要な情報へのアクセスが簡単になり、自治体や企業側も窓口業務を整理しやすくなります。
リッチメニュー※や自動応答メッセージを活用すれば、相談・予約・資料請求などの入口をLINE上に設計可能です。よくある質問や手続き案内を事前に用意しておくことで、利用者の自己解決を促し、電話やメールでの問い合わせを減らせます。
※画面下部に表示される固定メニュー
実際、LINE公式アカウントの運用目的に関する調査でも、「予約・問い合わせ対応の効率化」は44%で上位に入っていました。
必要な情報へ自然に進める導線を整えると、担当者の対応負担を抑えながら、利用者にとっても迷いにくい窓口を作れます。
身近なツールだから利用者に案内しやすい
多くの人が日常的に使うLINEを活用すれば、新しい仕組みを一から浸透させるよりも、導入のハードルを下げられます。
総務省の調査では、LINEの利用率はほぼ全ての年代で9割超となっており、若者から高齢層まで幅広く使われています。
さらに、メッセージや投稿の確認割合の調査では、LINEを「ほぼすべて確認する」「80%程度確認する」と答えた人をあわせると、8割を超えていました。
自治体や企業にとっても、多くの利用者へ情報を届けやすい点は大きな強みです。
すでに使い慣れたツールを起点にできるため、利用者への案内もスムーズに進められ、DX推進の第一歩として取り入れやすいでしょう。
組織で情報共有が行える
LINE公式アカウントは、複数人で管理できる点も強みです。配信内容や運用状況をチームで共有しやすいため、属人化の防止にもつながります。
たとえば、1つのアカウントには最大100人までメンバーの追加が可能です。PCのWeb版だけでなく、スマホアプリからも操作できるため、状況に応じた運用・管理が行えます。
設定できる権限は、以下のとおりです。
- 管理者
- 運用担当者
- 運用担当者(配信権限なし)
- 運用担当者(分析の閲覧権限なし)

設定できる権限
「メッセージの作成はできるが配信権限は与えない」「一部のスタッフには分析は見せない」といった柔軟な運用が実現します。
また、配信内容や分析データ、運用状況を複数人で管理できるため、引き継ぎや確認作業もしやすくなり、 組織として安定した対応を進められます。
LINE公式アカウントでDXを推進|自治体や企業の活用方法
LINE公式アカウントは、自治体や企業の業務に合わせて活用の幅を広げやすい点が特徴です。ここでは、DX推進に役立つ具体的な使い方を紹介します。
- LINEで情報発信やキャンペーン施策を効率化する
- よくある問い合わせ対応を自動化する
- 問い合わせ先や各種案内への導線を整える
- LINEで申請・本人確認を案内する
ひとつずつ確認していきましょう。
LINEで情報発信やキャンペーン施策を効率化する
LINE公式アカウントでDXを進めるなら、まず着手しやすいのが情報配信やクーポンのデジタル化です。
QRコードで友だち追加を促し、あいさつメッセージ※でクーポンや優待情報を届けると、利用の後押しにもつながります。※友だち追加後に自動で送信されるメッセージ

※画像は架空の自治体「花森市」を想定したサンプルです。
お知らせや最新情報をLINE公式アカウントから一斉配信すれば、ペーパーレス化にも有効です。
たとえば、以下のような配信が行えます。
- 自治体からのお知らせや防災情報
- イベントやセミナーの開催告知
- キャンペーンや優待クーポンの案内

花森市子育てイベントのお知らせ
定期的な情報発信とキャンペーン施策を組み合わせれば、利用者との接点を保ちながら、紙や電話に依存しない運用へ移行しやすいでしょう。
よくある問い合わせ対応を自動化する
LINE公式アカウントでDXを推進する際は、問い合わせへの案内を自動化しておくと、担当者の負担を抑えられます。
自動応答メッセージを活用すれば、利用者が送信した特定のキーワードに対して、あらかじめ設定した返信を自動で届けられます。
具体的には、以下のような案内を設定可能です。
- 営業時間や受付時間
- 来庁予約や相談予約の方法
- 各種手続きや必要書類
- キャンセルや変更の手順

よくある問い合わせ対応を自動化
同じ質問への対応を減らせるため、担当者の確認作業が効率化します。利用者も必要な情報をリアルタイムで確認でき、問い合わせ前に自己解決しやすくなるでしょう。
問い合わせ先や各種案内への導線を整える
自治体や企業の案内導線を整えるには、リッチメニューに問い合わせ先や各種案内ページをまとめておくと便利です。
たとえば自治体なら、以下のようなボタンの設置がおすすめです。
- 各種手続き・申請
- 子育て支援
- 防災情報
- イベント情報
- よくある質問
- お問い合わせ

※画像は架空の自治体「花森市」を想定したサンプルです。
問い合わせ先や予約ページなどをLINE上にまとめておくことで、電話・メール・Webサイトを行き来する負担が減ります。
担当者も「まずはリッチメニューを確認してください」と伝えられるため、個別に説明する時間を短縮できます。情報提供の流れを整理しながら、LINEを起点にDXを進めやすくなるでしょう。
LINEで申請・本人確認を案内する
申請や本人確認の手続きをわかりやすく案内したい場合も、LINE公式アカウントが役立ちます。
リッチメニューに外部フォームや申請ページを設置すれば、利用者は窓口へ行かずに手続きを進められます。
さらに、LINE公式アカウントの公的個人認証サービス「JPKI」との組み合わせにより、マイナンバーカードを使った本人確認にも対応可能です。
24時間365日申請できる体制を整えると、利用者の利便性向上と窓口業務の効率化を同時に進められます。
LINE公式アカウントでDXを推進する際の注意点
LINE公式アカウントは、自治体や企業のDX推進に役立つ一方で、標準機能だけでは運用に限界を感じる場面もあります。
配信や案内の仕組みを整えないまま運用すると、簡単な情報発信や導線整理はできても、運用に合わせた配信や予約・申請管理など、高度なDX推進までは届きにくいのが実情です。
LINE公式アカウントでDXを進める際の注意点は、以下のとおりです。
- 利用者情報の取得が難しい
LINE公式アカウントだけでは、利用者の属性や興味関心・申請状況などを細かく把握しにくい側面があります。必要な情報を取得できないと、相手に合った案内やフォローへつなげにくいのが難点です。
- 一斉配信だけでは一人ひとりに合った案内を届けにくい
子育て世帯や高齢者・予約済みの人や未予約の人では必要な案内が異なるため、全員に同じ内容を送ると不要な情報まで届く場合があります。必要のない案内が続くと、利用者の負担になり、ブロックや通知オフの原因にもなりかねません。
- リッチメニューにおける情報量の調整が困難
LINE公式アカウントのリッチメニューでは、表示できる情報量やレイアウトに制限があります。目的別にタブを分けたり、利用者の状況に応じて表示内容を切り替えたりといった対応が難しい仕様です。
- 予約や申請・問い合わせの導線が複雑になりやすい
予約は外部ページ、申請は別フォーム、問い合わせはメールなど、案内先が分かれていると、毎回情報を入力する手間がかかり、利便性が高いとはいえません。導線が増えるほど、管理や問い合わせ対応の負担も大きくなりがちです。
これらの課題を補う手段として有効なのが、LINE公式アカウントの機能を拡張できるツール「Liny」です。
LINEでDXを推進するならLinyがおすすめ
LINE公式アカウントをより実務に活かすなら、情報取得や配信の最適化・導線設計までまとめて整えられるLinyの活用がおすすめです。
ここでは、Linyで効率的にDXを進めるための活用方法を解説します。
- アンケートや診断で情報を取得
- 利用者に合わせた配信の設計
- 目的に合わせたデザインで案内を最適化
- 予約や申請手続きをLINE上で完結
アンケートや診断で情報を取得
Linyの回答フォームを活用すると、LINE上でアンケートや診断を実施し、氏名・属性・希望内容などの利用者情報を自動で取得できます。
愛媛県伊方町の事例は「はたちを祝う会」の参加者へアンケートを行い、管理者側での照合後に、思い出写真や期間限定クーポンを配信しました。

愛媛県伊方町の事例
蓄積したデータは、観光周遊施策や地域活性化策の検討に役立ち、行政事務のDX化を進めるうえでも有効です。
利用者情報をLINE上で管理できれば、施策後のフォローや次回案内にも活かしやすく、継続的な関係づくりにもつながるでしょう。
利用者に合わせた配信の設計
利用者ごとに関心や検討状況が異なる場合は、全員に同じ案内を送るよりも、必要な情報を届ける設計が重要です。
Linyのセグメント配信を活用すると、アンケートや診断・フォームなどで取得した情報をもとに、利用者に合ったメッセージを配信できます。
東京都大田区の学校法人東京滋慶学園/新東京歯科技工士学校の事例では、最初に希望学校を選択してもらい、その内容に応じて案内を最適化しました。

学校法人東京滋慶学園/新東京歯科技工士学校の事例
「歯科技工士」「歯科衛生士」など興味のある分野に合わせて情報を届けられるため、オープンキャンパスや資料請求への導線も整えやすいのが強みです。
また、滋賀県庁の事例では、友だち追加時に年代や居住地域を選択してもらい、属性情報に応じた配信に活用しています。

滋賀県庁の事例
高齢者向けの案内や地域ごとのお知らせなど、必要な相手に合わせて情報提供できるため、不要な配信を減らしながら情報提供の精度を高められます。
利用者ごとに必要な情報を届けられれば、反応率の向上だけでなく、担当者の案内業務の効率化にもつながり、DXも進めやすくなります。
目的に合わせたリッチメニューで案内を最適化
LINE公式アカウントで多くの情報を扱う場合は、利用者が迷わず目的の案内へ進めるリッチメニューの設計が欠かせません。
Linyではリッチメニューにタブを設けたり、友だちごとに切り替えたりして、表示する情報を画面内で整理できます。
滋賀県庁では「滋賀県メニュー」と「メインメニュー」「防災・災害情報」の3つのタブを用意し、利用者が状況に応じて必要な情報へアクセスしやすい導線を整えました。

滋賀県庁事例
また、カルビー社の事例では、アンケート回答数に応じてキャラクターや特典表示が変化するユーザー参加型メニューも活用しています。

カルビー社の事例
目的に合わせたリッチメニューを設計すれば、情報提供の質を高めながら、自治体や企業のLINE運用をより実務に合った形へ整えられます。
予約や申請手続きをLINE上で完結
予約や申請の受付を効率化したい場合は、LINE上で手続きまで進められる導線設計が有効です。
大分県九重町では「農機具貸し出し予約」の仕組みをLINE公式アカウント上に整え、従来電話で行っていた予約フローをデジタル化しました。

大分県九重町の事例
さらに、JPKIによる本人確認にも対応し、住民票の写しや所得証明書などの交付申請もLINE上で完結できる仕組みを整えています。

大分県九重町の事例
また、京都市消防局の事例では、救命講習の申し込みをリッチメニューから受け付けられるようにしました。個人・団体の申し込みに対応し、団体の場合はパスワード入力後に専用フォームが自動送付される設定です。

京都市消防局の事例
具体的には、以下のような運用を行っています。
- リッチメニューから希望の講習へ申し込み
- 団体申し込みではパスワード入力後に専用フォームを自動送付
- 予約完了時や講習前日に確認メッセージを自動送信
- 受講者自身でキャンセル手続きが可能
- 紙の修了証をデジタル化
申し込みから確認、リマインド、修了証の発行までLINE上で進められるため、利用者の利便性向上と担当者の負担軽減の両方に役立つ仕組みです。
実際に、従来は1件あたり約15分かかっていた電話対応が大幅に減り、LINE経由の申し込み割合は累計で約4割に達しました。
スマートフォンから各種手続きを進められる環境は、暮らしの中に行政が溶け込む「持ち運べる役所」としても機能します。
電話や来庁・来店に頼らない受付体制を整備すると、利用者の利便性を高めながら、担当者の負担を減らし、DX推進にもつなげやすくなるでしょう。
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まとめ
LINEでDXを推進するには、情報発信だけでなく、問い合わせ対応や予約・申請導線の整理まで含めて設計する視点が欠かせません。
自治体や企業では、日常業務の負担や人材不足、対応の属人化が課題になりやすいですが、LINE公式アカウントなら、普段から使い慣れているLINE上に窓口や導線を整えられるため、業務改善の入口として活用できます。
さらにLinyを使えば、アンケートやセグメント配信・予約・申請手続きの仕組み化まで進められ、より実務に合ったDX推進が可能です。
自社や自組織の課題に合わせてLINEを活用し、無理なく業務効率化を進めていきましょう。






