京都市消防局
消防学校 教育管理課 岡悦久様
京都市消防局の教育管理課では、市民向けに救命講習や救急事故予防などの啓発活動を実施し、市民の安全を守る活動を日々行っています。年間1,900件(令和5年度)ほど実施されている救命講習では、申し込み時に電話と紙の申込書が必要でした。また、修了証の発行作業にも大幅な時間がかかっていました。
これらの作業効率化のためにLinyを導入したところ、申し込み対応や修了証作成業務の大幅な効率化が実現!さらに市民の利便性の向上にもつながりました。
今回、Linyの導入を担当された消防学校教育管理課の岡様に、Linyの導入背景と成果についてお話を伺いました。
Liny導入の効果
はい。LINE公式アカウントを先に導入していたわけではなく、LINE公式アカウントとLinyをセットで導入しました。
というのも、救命講習の業務には2つの課題がありました。「救命講習の申し込み対応」と「修了証の作成作業の効率化」です。これらを実現するためには、LINEだけでなく運用支援ツールであるLinyも必要でした。
はい。まずは救命講習の申し込み対応時についてです。年間約1,900回の講習を実施しており、2万7千人(令和5年度)の方が受講されています。各講習には定員があり、受講者には空き状況を消防署や消防学校に電話で確認してもらう必要がありました。職員は電話がかかってくると、システム上で空き状況を確認し、空いている場合は名前を伺って仮予約を行います。その後、受講者の方に、住所などの詳細情報を記入した申込書を提出していただくという流れでした。
次に修了証の作成作業についてです。講習が終わった後に修了証をお渡しするのですが、システムからデータを抽出し、印字する必要があります。この作業にも時間がかかっていましたし、氏名の間違いや紛失による問い合わせも少なくありませんでした。
ですので、 なんとかこの一連の作業をデジタル化できないかというのは、何年も前から考えていました。
課題が複数あり、解決が容易ではなかったため、時間がかかっていました。
講習の受け付けを電話だけではなく、インターネットでもしたいという要望は前からありましたが、それにはシステムが必要です。消防局にもサーバーがありますが、重要なデータやシステムを扱っているので、それをインターネットに接続することはできない。そうなると別途サーバーを持つか、レンタルする必要があります。それには、高額な維持・管理費がかかってきます。
仮に申し込みがインターネットで自動化できたとしても、修了証の発行作業は残ったままです。年間3〜4万人分の修了証を職員が印刷するのは非常に時間がかかりますし、先ほど伝えたように、作成後も問い合わせが来るので、その対応の効率化もしたいと考えていました。そうすると、なかなか見合ったシステムが見つかりませんでした。
DXの提案は色々ありました。例えば、他都市でも取り組んでいるように、申し込みだけインターネット化するといった部分的な改善案もありました。ですが、修了証の発行まで含めて取り組みたかったので、進展しませんでした。
局内のDX推進の担当者から、「Linyというシステムがあって、京都市でも使っている」という話を聞きました。私としては、LINEで申し込みができる点に魅力を感じました。他のシステムの場合は登録が必要です。メールアドレスを登録してパスワードを作って、そしてやり取りはメールです。
LINEを利用すれば、自分のLINEアカウントと連携させるので、登録の必要がありません。それに、LINEの利用者は9,000万人以上で、多くの人が使っているというのも良かった点です。
そこで、京都市で利用している部署に話を聞きました。救命講習で必要な手続きを思い浮かべながら担当者に話を聞いていたところ、対応できそうだという手応えがあったのでLiny販売代理店の立野様に相談しました。そうすると、やりたいことができるということが分かりました。
はい。他にも同じようなことができるサービスはないか、70種類ほど調べました。その結果、予約管理や関連機能も含め、要望を満たすことができるのがLinyでした。また、セキュリティ面も重要です。セキュリティ対策がしっかりとしていることが確認できないと契約はできません。Linyは利用しているサーバーやISMS認証の取得など、セキュリティ対策が充実していたため、Linyの導入に向け動きだしました。
はい。利用しています。今までは申し込み対応に1件あたり15分ぐらいの時間がかかっていました。講習は1日に何回も実施しているので、かなりの量の電話がかかってくるんです。その電話が、消防署でも教育管理課でも、大幅に削減されたことを実感しています。今では累計で約4割がLINE経由の申し込みなのですが、もっと増やしていきたいと思っています。
救命講習のLINE案内は、ホームページや周知ビラなど色々なところで周知しています。友だち追加してもらうと、リッチメニューから受講申し込みができます。
講習は、個人の申し込みと、団体(学校や事業所)の申し込みの2種類があります。団体での申し込みの場合は、特定のパスワードを入力することで、該当の講習の申し込みフォームが自動送付される仕組みにしています。ここでは、自動応答機能やテンプレート機能も活用しています。
申し込みは自動化され、予約完了時には確認メッセージが、講習の前日にはリマインドメッセージが自動送付されます。受講者はリマインドメッセージを確認し、もしも行けなくなった場合は、自分でキャンセルすることもできます。
また、従来は紙で発行していた修了証を、Linyでデジタル化しました。名前の間違いも激減しました。受講者が自分で名前を入力するので、間違いは自ずと少なくなりますよね。
さらに、従来の申し込み方法では、紙の修了証を作成する必要があるので、締め切りが講習の6日前までとなっています。ですが、LINE経由の場合は、講習当日の開始直前まで申し込みが可能になりました。これにより、受講者側の利便性も大きく向上したと思います。
また、今まで名簿で受講者管理をしていましたが、講習の最初と最後に二次元コードを読み込んでもらうことで、出席確認と講習を受けたという確認ができる仕組みにしました。さらに、受講者には、一定期間経過後に再受講を勧奨するリマインドメッセージを自動配信することで、再受講に繋げていくことができます。
その他にも、イベント時のメッセージ配信や、よくある質問をリッチメニューに掲載して、簡単に確認いただけるようにしています。
市民の方にとっては、今までは開庁時間の平日8時30分から17時15分の間に電話する必要がありましたが、24時間365日、救命講習を受けたいと思った時にいつでも申し込みができるようになった点は、大きなメリットだと感じています。
Linyを導入したのが2022年の11月頃で、コロナ禍の最中でした。今は、その時の落ち込みが戻りつつある状況なので、それがLinyの影響なのかどうかは判別しづらいです。
ただ、20代の申し込みが増えている感覚があります。 今の若年層にとっては、わざわざ消防署に電話して「講習空いてますか?」と、確認するのは手間に感じますよね。それがLINEであれば簡単に申し込みが完結できます。以前は統計を取っていなかったので詳細はわかりませんが、それほど20代が多いわけではなかったと思います。
もちろんあります。1枚作成するのに約20円かかっています。現在は累計で約4割がLINE経由で修了証を発行しているので、年間20万円ほどのコストカットができています。
はい。LINEで修了証を発行する場合は、講習の前後で二次元コードを読み取る必要がありますが、企業や事業所によっては勤務中のスマートフォン等の利用が禁止されている場合があります。ですので、LINEのみでの運用は難しいですね。
LINEの利用については、もっと否定的な意見もあるかと思っていましたが、実際はそれほどありませんでした。市民の方も、職員も、概ね受け入れている印象です。
Linyの導入によって、従来は手作業で行っていた膨大な入力作業が自動化されたことは非常に大きな成果でした。この点だけでも、Linyを活用してよかったと感じています。
※本事例は2024年8月時点での情報です。
※インタビューの内容は、インタビュー当時のLiny及びLINE公式アカウントで提供されている機能に基づいています。
企業名 : 京都市消防局
事業内容 : 市民向けに救命講習や救急事故予防などの啓発活動を実施。市民の安全を守る活動を日々行っている。
公式サイト : https://www.city.kyoto.lg.jp/shobo
Liny販売代理店 : 株式会社関広
事業内容 :
事業内容:京都の広告会社として70余年、プロモーションを軸に、LINE公式アカウントやLinyの運用代行、SNS運用、広告運用などでお客様の集客を支援。
消防局でのLINE運用に関するお問い合わせは、以下へご連絡ください。(担当:業務推進部 立野 孝則)
公式サイト : https://www.kanko-ad.co.jp/
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