愛知県立旭陵高等学校
生徒指導主事 加藤修平先生
旭陵高等学校は、1,200名以上の生徒を抱える人気の通信制高校です。主な連絡手段として電話や郵送を用いながら、公立の通信制高校としてはじめてLINEを導入し、加えてLinyを利用することでさらなる業務効率化を実現しました。
今回は、Liny導入に尽力された生徒指導主事の加藤先生にお話を伺います。
課題
Linyが解決
これまで予約や相談などのやりとりは主に電話で行っており、レポートなどは郵送で対応していました。しかし生徒数も増えてきて、学校としては電話や郵送での対応には限界を感じていたため、新しい手段としてLINEを導入したんです。
本校は通信制の学校ということもあり、対面で生徒と接する機会が少ないので、追加でアプリをダウンロードしたり、ログインの操作方法を説明する必要のないLINEが最善だと考えました。
はい。県が推奨している「学校安心メール」も利用していましたが、メールアドレスの登録手続きが煩雑で、登録率はわずか40%程だったためあまり意味がありませんでした。 常に多くの電話がかかってきており、その度に事務の作業が滞っていましたし、回線が2つしかないため繋がりにくいという問題もありました。
先生が不在で電話に出られないこともあり、掛け直しても今度は生徒がバイト中で出られないといったすれ違いも頻発していましたね。
また、本校ではコミュニケーションに不安を感じることが多かった生徒もいるため、電話をかけること自体が生徒にとって精神的な負担になっていたこともあり、そういった点でも連絡手段の改善を考えていました。
登録者の管理ができなかったのが一番の問題でしたね。
Liny導入前は、LINEで質問する際「どのクラスの誰なのか」「どの科目について質問するのか」を記載してから送るようお願いしていました。 また、特定の生徒たちに一斉配信をしたくても、送る必要のない生徒にもメッセージを送ってしまうという問題もありました。
話に関係のない方々に情報が送られてしまうことで生徒側の勘違いや不安を引き起こすことがあり、なんとか対処できないかと考えていました。
そうですね。生徒の科目選択別や行事参加者に内容を分けて配信する場合もありますし、保護者の方々や、卒業生、活動休止生、入学希望者からの相談に対応することもあるので、セグメント配信ができないのは不便でした。誰が誰なのか名前だけでは判断ができず、当時は管理に苦労していました。
Linyが提供しているサービスが、本校で求めているものに一番近いと感じたことが決め手のひとつです。セグメント配信や顧客管理はもちろん、他のツールではあまり見られなかった予約管理の機能が魅力的でした。
また、学校や企業での導入実績が多いことや、サービスの内容を比較したときにLinyが一番しっかりしていると感じ、長く利用できそうだなと思いましたね。
あと、導入後の構築方法に関して不安があったのですが、資料を通してLinyのサポートがすごく手厚いことを確認できたので安心して導入を決めました。
私もそれは覚悟していましたが、Linyはすごく直感的で使いやすかったので、すぐに構築できました。
生徒からは「やっとできたんだ!」と言われました(笑)
手間のかからない連絡手段が必要だったこともあり、生徒からの理解も得やすかったと思います。保護者の方にとってもLINEは馴染みがあるので、「今後のやりとりはLINEを使っていくので、LINE公式アカウントの登録をお願いします」と説明すると、すぐに受け入れていただけました。
ただ、 先生は半信半疑の方が多く、「LINEで生徒と個別に連絡を取り合う」というとマイナスなイメージもあったようです。しかし、ただ個別で生徒とやりとりをするのではなく、管理職も含めて教員が相互に送信内容をチェックすることができ、さらにやりとりの履歴も全て残る旨をお伝えして、最終的には安心していただくことができました。
学校案内など情報配信のみの使い方でLINE公式アカウントを運用している学校は他にもありますが、本校のように電話に代わる新しい連絡手段としてLINEを取り入れている学校は珍しいようです。
昔から続いていた考え方を覆して新しい手段を取り入れられたのは、学校教育関係として大きな改革だったと思います。
たしかに公立高校は追加の予算の出所がないので、なかなか大変でした。 最初は教育委員会にお願いして金銭面を負担してもらえないかと考えていたのですが、「使い勝手がいいから」や「生徒数が増えてきたので」と説明してもやはり実績がないと了承してもらえなかったため、なんとか学校の予算内でやりくりすることにしました。
幸い本校は同時期から生徒数が増えて1,200人程になり、それにより学校の予算も増えたんです。生徒数で割って考えると、年間でかかる費用は一人あたり数百円程なので、やりくりをすることでLinyの導入が可能になりました。
電話や郵送にかかっていた手間や費用を考えると、学校内でも納得の声があがりましたね。
まず一番は、生徒との個別の対応に利用しています。
学習や学校生活に関する相談など、担任や科目の担当が対応しています。
「身分証がなくなってしまったので再発行してください」というお願いから「明日は体育館のシューズいりますか?」などの確認まで、相談内容はさまざまですね。 正月明けは100件ほど連絡が溜まっていました(笑)
担当の先生からすると、逆にLINEの返信で済むのは楽なようです。電話の時のように不在で出られないというすれ違いがないため、作業にかかる負担は全然違います。
最近は質問件数を減らすための試みとして、リッチメニューのなかに予想される質問をQ&Aとして時期ごとに切り替えて用意しています。
また、トーク一覧を見れば様々な生徒から同じ質問が複数回寄せられていることがわかるようになったので、その質問をQ&Aとしてまとめたり、事前に一斉配信で情報を流しておくなどの対応ができるようになりました。
あとはセグメントリッチメニューも活用しており、生徒・保護者・入学希望者などに分けて作成しています。
例えば、生徒向けリッチメニューには時間割が掲載されており、さらに「この授業はこの教室でやっているよ」というちょっとした学校のマニュアルも載せています。
これまでは配布されたプリントや冊子を各自確認してもらっていたのですが、それもすべてリッチメニューのリンクから確認できるようになり、いつでもどこでも自分で調べることができるので便利になったという声をいただいています。
イベント予約はとても活用していて、もうこれがないのが考えられないくらいです(笑) スクールカウンセラーやソーシャルワーカーの予約をはじめ、修学旅行やスノーボード学校など各科目での校外学習や行事の参加予約の際には必ず利用しているので使用頻度はかなり高いです。
予約者の管理ができるようになったため、行事直前に追加で連絡事項がある際に、簡単に参加者へ連絡できるのも便利ですね。例えば、スノーボード学校での持ち物が増えた場合にも、参加する生徒だけに絞り込んで一斉配信できるので助かっています。
また、「行事の予定を忘れていた」という生徒も以前は結構いましたが、行事予約者にはリマインダー機能で事前にお知らせができるため、予約忘れの予防になっています。
効果としては、まずプリントを印刷して郵送するためにかかる対応時間やコストが劇的に減りました。
これまで連絡事項などは紙ベースで用意しており、本校で週に一度行っているスクーリング(対面での面接指導)当日の朝、生徒に配布していました。
そのためには事前に教員が記事を作成し、プリントにしてまとめ、在校生1,200人分を印刷しなければならなかったんです。
スクーリング前に共有しておきたい情報がある場合は、さらに早めに原稿を用意しなければなりませんでした。
今ではPDF化した資料を一斉配信するだけでいいので手間が減って本当に楽になりましたし、当日ではなく出校前に情報配信されることで生徒にも安心してもらえています。
また、スクーリングで配布された連絡事項のプリントは、出席していない生徒全員に郵送することが本校のルールになっています。生徒が出席しないことも結構あるため、平均して1クラスに20通ほどの郵送物があるんですよ。
この数が十数クラス分あるため、いつも事務室の郵送物用の箱がパンパンになっていました。それがLinyを利用し一斉配信をするようになって、スクーリング後の郵送物が前年比約70%削減できたんです。
学校ってプリント類が本当に多いので、それがほとんどなくなったことで、業務効率は格段に向上し、郵送費も浮かすことができました。
スクールカウンセラーの予約は3倍も増えたので、かなり変化がありましたね。 電話予約のみの時は全体の予約枠の約20%が埋まる状況でしたが、LINEを利用してから予約枠が60%以上埋まるようになりました。
電話予約の場合は、まず学校に連絡し事務が対応した後、担当の先生を呼び出すというプロセスが必要だったため、予約のハードルが高くなっていたんです。やはり不安や悩みを抱えた方がカウンセラーを予約するケースが多いため、LINEで人に知られずに直接予約できるようになったことが予約数増加に繋がったのだと思います。
行事予約に関しても、以前は参加希望者は担当者にプリントを提出しなければならなかったのですが、今はLINEから気軽に参加予約できるため、予約数が増えてきています。
本校の生徒はバイトをしている方が多いため、予定が急に変わることがありますが、LINEなら予定がわかった段階ですぐに予約を入れられるのが便利だと感じているのかもしれません。
例えば予約枠の制限があるイベントの場合、プリント提出で予約受付をしていた時は、どこで予約枠に達してしまったかがわかりにくく、締め切りのタイミングが掴めませんでした。
今ではLinyを使うことで予約枠を管理しやすくなりましたね。予約名簿もCSV形式で簡単に作成でき、「誰が参加するか」や「どの科目で行われるイベントか」などが把握できるようになったため大好評です。
一度使い始めると、先生方から「これ、すごく便利だけどどうやるの?教えて!」と聞かれて、様々な行事予約で使うようになりました。お世辞ではなく本当にいい機能です!
Linyを導入してからLINE公式アカウントの活用が進み、登録者数がかなり増えましたね。 最初は100人もいないくらいでしたが、今は生徒の97%以上が登録しています。
生徒に聞いてみたところ、以前は「電話で質問するのは大変だし、やめておこうかな」と感じることがあったそうですが、今はLINEで質問できるので、自分の思っていることを素直に言えるようになったと話していました。
本校のような通信制の学校の場合は、直接話す時間が限られているので、生徒とのコミュニケーションが取りやすくなったのはよかったです。
先生方からも「本当に連絡が楽になった」というお声をいただきます。例えば進路相談の際も、生徒と面談する日時を決めるプロセスがすごくスムーズになりました。
生徒にとってもいいことだと思いますが、教員としても業務を効率的に進めることができるようになったので、いい変化だと感じています。
本格的にLINE公式アカウントの運用をはじめてからは、意外と早い段階で登録率が90%を超えました。先生方も積極的に登録促進してくださいましたね。
生徒が登録してくれることで、郵送の手間が減り、電話のやりとりがなくなるので、先生の負担も軽減されます。それで先生方の中で「登録率を上げよう」という意識に繋がり、好循環が生まれたのだと思います。
また、本校は教員の年齢層が高いのでまだスマホを持っていない先生もいるのですが、「自分も生徒がどうやって連絡事項を見ているのか知りたい」という先生が、これをきっかけに何人かスマホデビューしました。教員の緊急連絡網もLINEで管理できると管理職の方が楽になるため、次年度はさらに利用者を増やしていきたいです。
やりたいことはLinyである程度叶えてもらっているので、使い方自体は変わらないと思います。
ただ、現状コミュニケーションに不安を抱えている生徒は非常に多いため、今後も生徒との丁寧なやりとりを重視していきたいと考えています。
今、不登校の児童・生徒数は全国で約30万人おり、通信制学校のニーズは急速に増えてきていると感じています。人間関係や様々な事情により学習継続が困難になり、不登校を経験している人が多く、不安を抱える中で再スタートとして通信制高校に入学する方もたくさんいるんです。
その中で対応していくために、ケアがすごく大事になってくると思うんですよね。
例えば、連絡が一方通行でなかなか返事が返ってこないと、「じゃあ学校に行くのはやめよう」と思ってしまう場合があるんです。教科書を間違えてしまったとか、事前にわからないことが一つあるだけで不安に繋がってしまうことがあるため、情報をきちんと伝えてあげることが大切だなと思います。
私たちからするとなんでもない一通のLINEのやりとりが、生徒にとってすごく安心感に繋がり、「明日学校へ行けるかも」と前向きに考えるきっかけになると思うんです。 Linyを使い始めて本当に生徒とのコミュニケーションが取りやすくなりました。さらに生徒数が増えても、一人一人にきちんと対応できるよう環境を整えていきたいですね。
※本事例は2024年1月時点での情報です。
※インタビューの内容は、インタビュー当時のLiny及びLINE公式アカウントで提供されている機能に基づいています。
企業名 : 愛知県立旭陵高等学校
事業内容 :愛知県名古屋市にある、1,200名以上の生徒を抱える人気の通信制高校。
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