株式会社トキハ
営業戦略部 部長 松本様(左)
営業戦略部 課長代理 河野様(右)
株式会社トキハは「ふるさと大分」の豊かな暮らしを支え、地元のお客様に愛される百貨店を経営しています。トキハはLinyを効果的に活用しながら予約販売やイベントを展開し、LINE公式アカウントの友だち登録者数の増加と、売上の向上に成功しました。
今回は、Linyの企画を担当されている営業戦略部の松本様と河野様にお話しを伺いました。
課題
Linyが解決
情報発信や、商品予約、ECサイトへの導線として利用しようと考えていました。
LINE導入当時、
ECサイトはお客様の認知度がまだ低く、反応自体があまりなくて。既存のお客様はデパートで買い物をすること自体が楽しいという方が多いので、わざわざネットで買い物することを選ばないんですよね。
ただ、世の中ではネットでの買い物が一般的になりつつあるので、弊社がどこまで手を伸ばしてやっていけるかというのは考えていました。
そこで、まずはネットでの商品購入に抵抗があるお客様に対して、LINEを使って手軽に買い物ができる土壌を整えたいという思いもありました。
ECサイトでの買い物は、クレジットカード番号や会員のカード番号などの登録が必要で、決済に至るまでに少し手間がかかってしまうためハードルが高いんです。
そのためECで決済まで進める仕組みよりもっと手軽な方法がないかと調べており、LINEに行き着きました。
スマホを使ってワンクリックで商品予約ができればお客様の負担も少ないですよね。
弊社ではアプリや他のSNSも運用していましたが、それも登録に手間がかかったり、ホームページの写しのような感じで目新しさもなく、良さを活かすことができていませんでした。
社内でデジタルプラットフォームのプロジェクトを立ち上げたことがきっかけです。 その中で、今後の弊社のあるべき姿を検討した結果、「いつでもどこでも1人1人に寄り添い、感動体験を創造することで絆を深め、大分の暮らしと心を豊かにする」というビジョンを掲げることにしました。 このビジョンを実現するためにはお客様と接点を作ることが不可欠なので、まずはSNSの見直しが必要だと考え、他のSNSに比べてユーザー数の多いLINEを強化することにしました。
LINEは8,000〜9,000万人のユーザーがいて、他のSNSよりも幅広い年代のお客様が使っているサービスであるため、手軽にアプローチしやすいのではないかというところが決め手でしたね。
まず、お客様の好みに合わせてお知らせを配信できないことが課題でした。
LINE公式アカウントでは全社で取り上げるような大きい物産展やセールを中心に発信していたのですが、それぞれのフロアで行なっている小さなポップアップやイベントはなかなかお知らせする術がなく、お客様からは「知っていたら行ったのに」というお声もたくさん頂いていたんです。
百貨店はさまざまなジャンルを扱っているので、どうしてもお客様が"欲しい情報"と"興味がない情報"が混ざって配信されてしまうことがあるんですよ。そこで、配信情報を見直して、よりパーソナルな情報をお客様に届けたいと考え、将来的にはLINE公式アカウントでセグメント配信ができるよう、もっとブラッシュアップしていく必要があると感じていました。
そうですね。 店頭での販売をしていてもお客様にLINE公式アカウントの友だち追加を促す機会が少なく、お客様から「登録したら何か特典があるの?」と尋ねられた際に、明確なお答えができない状況でした。
あと、商品予約もLINE公式アカウントで行いたいと考えていました。
買取りで仕入れる商品の発注数を決めることが難しく、仕入れた商品が店頭で売れ残ってしまい、在庫を抱えることになったり、食品が廃棄になってしまったり。
逆にお客様の反応が良すぎて午前中で売り切れてしまうということもありました。LINEで商品予約をすることで、これらの課題を解消できないかと考えていました。
セグメント配信や予約配信ができるかというところと、低価格で始められるかを重視しており、同じようなツールを扱う2、3社に絞って検討していました。
最後にどのツールを導入しようかと考えていたときに、Linyは営業担当の方がすごく丁寧に対応してくださったんです。
やはり私たちはシステムの専門家ではないので、導入したはいいけど使いこなせなければもったいないと思っていたこともあり、実装に関してサポートしてくださるLinyがいいという結論になりました。今でも、使っていくなかでわからないことがあればすぐに営業担当の方に電話をして教えてもらっていますが、いつも快く対応してくださるので助かっています。
そうですね。さらに、導入検討時にデモアカウントを提供していただいたので、予約機能などを試すことができたことも決め手のひとつです。 Linyは商品予約をするためのツールではありませんが、どうしたら当社の希望する予約販売ができるかというのを、営業担当の方がすごく考えてくださいました。
Linyを導入して、まずはじめにパンとプリンの事前予約を行ったんです。そこではじめて予約機能を使ったのですが、配信開始してからの反応スピード、予約の多さなどを実感して改めて効果が見えました。
はい。LINE公式アカウントで予約を受けた数量だけ発注を行なったので、ほぼ商品の在庫ロス・品切れがありませんでした。
今までは適正な数量の発注がなかなか難しかったのですが、Linyで商品予約を行ったことで、コンスタントにきちんと決まった数量が販売できたので、魅力的だなと思いました。
今は主に商品の予約販売を行うために、予約機能を活用しています。テンプレート機能でクーポンを作ったりもしていますね。
また、配布したクーポンを未使用のお客様に対しては、「あと1週間でクーポンが切れます」という通知をしました。
それがきっかけになってご来店いただいたお客様がいたというのは現場からも報告されています。
そうですね。Linyを導入してから、お客様にクーポンを押していただくと何人がクーポンを開いたかが数字でわかるようになりました。以前はLINE公式アカウントのクーポンを押すと弊社ホームぺージのクーポンに遷移しており、その表示された画面を売り場で見せていただくことしかできなかったため、何人がその画面を開いたかなど分析に活用することが難しかったんです。
タグ付けはできるだけ細かく行うようにしていて、お客様が何を見てイベントに来てくださったのか、何を見て友だち追加してくれたかなどの流入経路を分析して活用しています。
配信のメッセージ、メニュー画面、店頭ポスター、会員様向けのDMなど、さまざまな流入経路がありますが、その中でどんな発信がお客様の興味を惹くのかを分析することで、友だちを増やすための施策やお客様へのアプローチの各媒体の分析資料として活用しています。
商品予約だけでなくイベントの誘客に繋げられるよう、メッセージやメニューの見せ方を工夫するなど、やれることの間口を広げたいという思いも持つようになりました。
はい。あとは、イベントでのクーポン配布やノベルティプレゼントなどの際にタップしてくださったお客様は履歴がつくので、今後同じジャンルのイベントについてなどセグメント配信をしたいと思ったときに、興味があってタップした方に限定して情報を送付したいと考えています。 よりお客様に合った情報が届けられるようにしたいです。
大きな催事(物産展)や全館統一のイベントなどは販売促進課がメインで計画し、LINE公式アカウントの管理運営も行っています。ポップアップなど、比較的小規模でLINE限定商品予約やクーポン配信を伴う企画は営業戦力部として運用することにし、社内で役割分担をしています。
Linyを活用して取り組んでいる予約販売や、催事などの配信内容を営業戦略部で固めたら、販売促進課に「こういう情報を流してください」という原稿を提出して、メッセージのデザインやメニュー画面に表示する内容を作ってもらっています。
弊社では、河野が各売り場のバイヤーや現場スタッフと密に関わって企画を考えていますね。
通常ですと、1~2ヶ月前にはバイヤーがイベントを企画して原稿を起こし、締め切りまでに販売促進課に原稿を提出して、イベントの告知を開始します。
紙面にして告知をする場合は、一度印刷してしまったら修正が効かないので、早い段階でしっかり内容や構成を固めなくてはなりません。
なかなか融通が利きにくいこともあり、どうしても締め切りが早くなってしまうんです。
ですが、LINE公式アカウントで配信する場合はすぐに情報を配信できるので、ギリギリまで内容を検討でき、変更や修正もすぐにできるというのがありがたいですね。
よりいいものを届けたいという思いもあるので、ぎりぎりまでブラッシュアップできたり、本当に旬なものを提供できるというところではすごくメリットがあるんじゃないかと思います。
商品予約をはじめたところ、抜群の売上がありました。
ECサイトでの販売は1ヶ月のマンスリー企画として行なっていますが、商品を載せていても売れるスピードはゆっくりで、用意した商品が売り切れないこともあったんです。
それがLINE公式アカウントで商品の予約を開始すると、配信後数分で何十件という予約が入り、一気に売上が立ったので、すごく反応がいいと思いました。
ECサイトはパソコンを使ってご覧になるお客様が多いのですが、LINEは基本的にスマホで確認するので、通知が来たらすぐに予約まで進んでいただけます。
決済まで至らずに、名前の記載と時間帯を選ぶくらいの簡単な手続きで終わるお手軽さがあるので、スピード感が違うのかもしれません。
人気の商品だと1人目の予約が配信開始から2、3分で入るんですよ。個数制限が150個ほどの場合、早いと2時間でなくなることがあります。
1週間の予約期間を持っていても1日2日で売り切れることも多いですね。
同じような企画をECサイトとLINE公式アカウントの両方で試したときも、圧倒的にLINE予約のほうが早く結果がでました。
はい。店舗展開を前提にしなくても予約した方にお渡しするということで確実に売り上げが上がるのがわかりますし、商品の在庫ロスのない販売方法ができているので良かったと思います。
また、予約商品を引き取りに来たお客様がそのまま店舗を見て回ってくださるので、相乗効果で他のものの売上にも繋がっています。
人気菓子ブランド「N.Y.C.SAND」の商品を、LINE友だち限定予約承りした際は、受注個数の制限がなかったこともあり、売上額は260万円ほどになり、予約販売を実施したなかでは最高額でした。
開始から10分で約100件の予約が入りましたね。
そうですね、反応はとてもいいです。営業戦略部が運用する企画は、LINE公式アカウントから毎週月曜日の18時に定期配信しています。
最近はお客様も習慣になっており「予約の配信がきたかな」と見てくださっている方が増えている気がします。
以前は販売促進課が配信する催事のお知らせは、催事開催の前日の12時に配信を流すスケジュールでしたが、直近の配信だと催事来店の予定も立てられないということで、今期から配信時間の見直しも行い、毎週火曜日(催事開催の2日前)の18時を定期配信としました。
18時や19時の通勤時間帯が一番ゆっくり見られると思い変更したところ、それが成功した形ですね。
現場の従業員にとっても、引き取り時間とお客様のお名前が前もって把握できているため、この時間で何件の商品引き取りがあるというのがわかり、忙しくなる時間帯には販売員を増やそうという働きができたのでよかったです。
また、従業員もLINE公式アカウントを使って商品を予約していました。店頭に並んで商品を購入する形式だと従業員はなかなか並びには行けないのですが、LINE予約であれば、予約だけしておいて休憩時間に商品を取りに行くこともできます。従業員にも好評でした。
例えば、高級美容液は反応が良かったですね。
ブランドとして有名なものではなく、通常店舗で取り扱いしていなかったんですが、メーカーさんのおすすめだったので、LINE限定販売としてやってみようという話になったんです。
その結果、お客様に興味を持っていただけたので、店頭でも置いてみようという流れになりました。
まずLINEで情報を投げかけてみて、お客様の反応が良かったら店頭に展開してみようという形で、効果を見てから試すことができたのがよかったですね。
そうですね。小規模なイベントだと大きな広告媒体で宣伝することがなかなか難しいのですが、LINE配信であれば気軽に載せやすく、お客様にも投げかけやすいので、集客に役立っています。
例えば「英国の暮らし展」というイベントを行った際、紅茶やクッキー缶を予約配信したのですが、その配信を通じて、催事が行われるということを知っていただき、それによって来店された方が、他の商品も購入してくださったという話を売り場のスタッフから聞きました。
また、商品予約はしなかったけれど、興味をもって配信メッセージをタップしていただいた方には、後日イベント内容のチラシデータを送りました。このチラシデータをご覧いただいたお客様も来店してくださったので、さまざまなアプローチで来店を促すことができたと思います。
2022年の11月からLinyを導入したんですが、その時点でのLINE公式アカウントの友だち数と、今日(2023年10月現在)の数字を比較すると、友だち数はLiny導入後から7,750人増えています。
Linyを介して友だち追加をしてくださったり、一回でもLinyを踏んで抽選会の参加や注文をされた方は、予約機能などに満足していただき、コアなお客様になっていますね。
お客様にも便利だと感じてもらっているのか、ブロック率も18.2%から16%まで下がっています。
クーポンや特典の配信をしているので、お得な情報が届くというところから、トキハのLINEはブロックしなくてもいいと感じてくださったのかもしれないですね。
LINE友だち限定の抽選会キャンペーンを行いました。
例えば「LINEの友だち追加して特定のQRコードから抽選に参加すると、その場でどら焼きが当たるかも!」というキャンペーンを行ったこともありますね。さらにそのプレゼントの受け渡し会場などで、「これは何をやってるの?」と気になったお客様が「私も友だち追加しようかな」と思ってくださることがあるので、抽選会のときは圧倒的に友だち数が増えました。
メルマガやアプリは登録にも手間がかかりますが、LINEの場合はQRコードを読み込んでもらえればすぐに登録できるのでご案内もしやすいです。
LINE限定予約の実施など、機能がアップし、コンスタントに予約商品の配信も行っていることで友だち追加のメリットが作れていると思います。 きっかけはできるだけハードルを下げて、「得があるなら登録してもいいかもしれない」という気持ちで気軽に友だち追加していただけると嬉しいです。
はい。商品をLINE予約していただいたお客様に、特別な「LINE予約限定お渡しカウンター」を用意し、優先的に商品をお渡しする場合もあります。
例えば人気和菓子の「赤福」を予約販売した際は、商品仕入れの都合上、販売数を限定せざるを得ないので催事場には朝からお客様がすごく並ぶんですよ。
並んでいる列を見て、「もうこの列に並ぶなら買わなくてもいいかな」と思われるお客様や、昼前には完売してしまうので買うことができないお客様も多くいらっしゃいました。
そんな時に予約している方は列に並ぶ必要がなく、午後からゆっくりとスムーズに商品を購入できるため、お客様からご好評いただきました。
一般の方は並ばないと買うことができないので、「なんであの人はすぐに商品を受け取れるんだろう」と気になったお客様が、それをきっかけに友だち登録していただくことにも繋がりました。
将来的には弊社の友の会(積立式のお得なカード)に登録していただいたお客様情報と、Linyを使って集めた情報の紐付けを行いたいと考えています。
特定の方に特別なご案内のLINE配信ができるようにしていきたいですし、さらにカード情報が紐付くことによって購入情報も把握できるので、どのくらいお買い物してくださっているお客様なのかが直接的にわかり、働きかけやすくなると思っています。
最近来店されていない会員の方にも、イベントのお知らせなどで来店を促したいですね。
あとはもう少し友だち数や取り組みが増えたら、お客様の興味に合わせて個別にタイムリーな情報を届けられるようセグメント配信を行い、それぞれの売り場にお客様が来ていただけるようにしていきたいと思っています。
そうですね。配信の質はさらに上げていきたくて。
例えば物産展や大規模な催事の際には、タイミングを合わせて他のフロアでのイベントのご案内をするなどして、お客様に館内を動いていただける導線を作れたら嬉しいです。
滞留時間を長くすることで店舗内で素敵な商品や販売員に出会っていただくことができ、店頭の商品の売上増に繋がることを期待しています。
ゆくゆくはお客様ごとにアンケート調査を行い、その結果を踏まえて、食品だけではなく衣料品など他のジャンルにも効果があるような魅力あるアカウント運用をしたいと思っています。
顧客管理情報を活用して、お客様の興味に合わせた配信で、もっとファンを増やす施策を考えていきたいですね。
※本事例は2023年月10時点での情報です。
※インタビューの内容は、インタビュー当時のLiny及びLINE公式アカウントで提供されている機能に基づいています。
企業名 : 株式会社トキハ
事業内容 :「ふるさと大分」の豊かな暮らしを支え、地元のお客様に愛される百貨店の経営を手がける。
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