LINE公式アカウントは、顧客との距離を縮め、エンゲージメントを高めるための重要なメッセージ配信ツールです。そのため、適切に配信をしないと、成果ではなくブロックにつながってしまいます。
この記事では「せっかくLINE公式アカウントを運用しているのだから、より効果が出る配信にしたい!」というLINE運用担当者の方向けに、PDCAサイクルを基にした具体的な配信計画の立て方から分析方法まで分かりやすく解説していきます。
この記事を読むことで、PDCAサイクルを回しながらLINE配信の効果を最大限に引き出すための方法を理解していくことができるでしょう。
LINE公式アカウントの配信におけるPDCAとは?
LINE公式アカウントを運用する上で、メッセージ配信は重要な役割を担っています。しかし、ただ漠然と配信するだけでは、なかなか効果は上がりません。そこで役立つのが「PDCAサイクル」です。PDCAサイクルを回しながら、より効果的な配信を目指していく方法をご紹介していきます。
そもそも「PDCAサイクル」とは?
PDCAサイクルとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の4つのステップを繰り返すことで、業務を継続的に改善していくためのフレームワークです。
一度で完了せず、「計画→実行→評価→改善→計画…」というように、プロセスが続いていきます。
他にもフレームワークはありますが、PDCAサイクルは業務改善を行う上での基本的な考え方なので、まずはこの方法を活用して効果的なLINE運用を行なっていきましょう!
【Plan】LINE運用の配信計画を立てる
まずは、LINEの配信を効果的に行うためのPDCAサイクル「Plan(計画)」のステップから説明していきます。
【準備】LINE運用の目標を明確にしよう!
PDCAサイクルの最初のステップ「Plan(計画)」の前に、まずは「目標設定」が必要です。LINEを活用して「何を達成したいのか?」を明確にすることで、効果的な配信計画を立てることができます。
目標設定は、以下の3つのポイントを意識して行いましょう。
- 目標の明確化
- 測定方法の検討
- 目標達成期限の設定
順番に紹介していきます。
目標の明確化
まずは、LINE公式アカウントを利用して、何を達成したいのかを明確にしましょう。
例えば、以下のような目標が考えられます。
- 店舗への送客を増やす
- 新商品の認知度を向上させる
- 問い合わせ対応を効率化する
- 顧客の声を収集する
このように、アカウントの目的によって設定する目標は様々です。自社のLINE運用の目標は何かを検討しましょう。さらに、具体的な数値目標も設定します。
測定指標の検討
目標が決まったら、次は目標値の測定項目の検討です。
LINE公式アカウントには、以下のようなデータを確認できる分析機能があります。
- メッセージの開封率
- URLのクリック数
- クーポンの獲得数・利用数
- チャットの利用状況 など
この機能を活用して、目標に関連性の高い指標を選びます。分析機能で確認できる情報については、以下の記事で詳しく説明しています。
目標達成期限の設定
最後に、目標を達成する期限を設定します。どれぐらいのスパンで、目標を実現していくのかスケジュールを決めましょう。
配信計画を立てる
目標の明確化ができれば、いよいよメッセージを作成するための「配信計画」に移ります。計画を立てる際には、以下の4つの項目を検討していくのがおすすめです。
- 配信頻度
- 配信タイミング
- 絞り込み対象
- 配信内容
順番に説明していきます。
配信頻度について
まずは、どのくらいの頻度でメッセージを配信するか決めましょう。一般的には、週に1回程度の配信が推奨されています。定期的なメッセージ配信により、ユーザーは該当のLINEアカウントからメッセージを受け取る習慣ができ、エンゲージメントの向上が期待できます。
ただし、週1回の配信頻度はあくまでも目安です。アカウントの目的、目標値、ユーザーの期待、配信するコンテンツの内容などによって、最適な頻度は異なります。まずは週1回を目安に配信し、PDCAを回す中でユーザーの反応を確認しながら調整していきましょう。
配信タイミングについて
次に、メッセージを配信する曜日や時間帯を検討します。配信するコンテンツの内容や、ユーザー行動に合わせて最適なタイミングを見極めることが重要です。反応率が高まるタイミングは、業界や用途によって以下のように異なります。
- 飲食店は、ランチやディナーの時間帯の1〜2時間前にクーポン付きメッセージを配信
- エンタメコンテンツは、休日の前夜にイベント情報を配信
過去の配信効果やユーザー行動のトレンドなどを参考にして、配信タイミングを検討してみましょう。
絞り込み対象について
LINE公式アカウントでは、友だち登録しているユーザー全員にメッセージを配信するだけでなく、特定の条件でユーザーを絞り込んで配信することも可能です。
例えば、以下の条件で絞り込みが可能です。
- 年代
- エリア
- タグの有無
- 開封やクリックの有無
絞り込み配信を行うことで、ユーザーのニーズに即したメッセージを届けられるため、メッセージの反応率向上やブロック率の低下が期待できます。
絞り込み配信の詳細については、以下の記事で紹介しています。
参考:LINE公式アカウントのセグメント配信とは?設定方法も解説!
配信内容について
最も重要な「配信内容」を決めましょう。
ユーザーが求めている情報や、目標達成に貢献するコンテンツは何かを常に意識しながら、配信内容を検討していく必要があります。
アイデアに行き詰まった時は、同業他社の配信内容を参考にしたり、他業界のユニークな事例からヒントを得たりするのも有効です。様々な情報を参考にしながら、柔軟に配信内容を検討していきましょう。
【Do】メッセージの作成・配信をする
配信計画を立てたら、実際にユーザーに届けるメッセージを作成していきましょう!メッセージ作成において重要なのは、以下の2つの要素です。
- コンテンツの形式
- 文章/画像
順番に紹介していきます。
コンテンツの形式
LINE公式アカウントでは、以下のような様々な形式のメッセージを配信することができます。
- テキスト
- スタンプ
- 写真
- クーポン
- リッチメッセージ
- リッチビデオメッセージ
- 動画
- ボイスメッセージ
- リサーチ
- カードタイプメッセージ
さらに、3吹き出しを1通としてカウントできるため、異なる形式を組み合わせることも可能です。配信するコンテンツの内容や目的に合わせて、最適な形式を選びましょう。
文章/画像
メッセージの内容はもちろんのこと、ユーザーの心を掴むためには、文章や画像にも工夫が必要です。
文章の場合、LINEでは「シンプルな文章」「身近に感じる表現」「絵文字の活用」が重要です。アカウントのコンセプトにもよりますが、身近な配信ツールであるLINEの特性を活かした文面を作成しましょう。
また、LINEでは画像を利用することも一般的です。文章よりも画像をメインで使うアカウントも少なくありません。どのようなデザインにすると反応率が高まるのかをテストしながら、最適なデザインを目指していきましょう。
【補足】メッセージ配信は日時の予約が可能!
LINE公式アカウントでは、メッセージの予約投稿が可能です。好きなタイミングでメッセージを作成して、送信日時を指定できます。
メッセージの作成・配信設定については以下の記事で詳しく紹介しています。
参考:LINE公式アカウントのメッセージ配信の方法とコツとは?配信時間や頻度について
【Check】配信結果を確認する
次は、Check(評価)に進みましょう。配信したメッセージがどれくらいのユーザーに開封され、どのような行動に繋がったのかを分析することは、今後の配信戦略を改善していく上で欠かせません。
効果測定を行う際には、以下の項目を中心に確認していきましょう。
- 開封率/数
- クリック率/数
- コンバージョン率/数( 目標値として個別に設定している項目)
- ブロック数(配信後にブロックした友だちの数)
これらの数値を分析することで、メッセージの内容や配信タイミング、ターゲット設定などが適切だったのかを評価することができます。
効果測定には、LINE公式アカウントの分析機能が活用できます。
分析についての詳細は、以下のページで詳しく紹介しています。
【注意点】絞り込み配信を利用した場合
特定のユーザー層に絞り込んでメッセージを配信した場合、分析画面では「絞り込み条件」が表示されません。
絞り込み配信の対象を確認する場合は、「メッセージ配信」>「配信済み」>「ターゲット」を参照してください。
【Action】配信の分析を行い改善点を検討する
最終段階のAction(改善)です。 これまでの配信で得られたデータをもとに、効果アップをするための改善点を検討します。
ここでのポイントは、分析結果から具体的な「改善策」を見つけ出すことです。以下のポイントを参考に、改善点を洗い出してみましょう。
1. 配信頻度・タイミングを見直そう
配信頻度やタイミングの改善点を検討します。
- メッセージの配信頻度は適切でしたか?
- ユーザーがメッセージを受け取り、コンバージョンに至りやすい時間帯に配信できていましたか?
曜日や時間帯を変えてみるなど、テストしながら最適な配信タイミングを探ってみましょう。
2. 絞り込み配信の効果を検証しよう
絞り込み条件の改善点を検討します。
- 絞り込み配信した場合、一斉配信と比べて効果はどうでしたか?
- もっと効果的な絞り込み条件はありませんか?
- ブロック率が高い配信があった場合、絞り込み配信は活用できそうですか?
年齢層、性別、反応の有無など、様々な条件で絞り込みを行い、よりターゲットに響くメッセージを届けましょう。
【補足】ひとりひとりに最適なメッセージ配信をするために
LINE公式アカウントでも絞り込み配信は可能ですが、さらに自由な絞り込み配信をするためには、当社が提供するLINEマーケティングツール「Liny」がおすすめです。
Linyを活用すれば、ユーザー情報を自動収集して絞り込み配信に活用できます。
- アンケートの回答内容に基づいて
- 誕生月の人だけを絞り込んで
- 会員登録済みの人だけに
- 3ヶ月以上予約がない人に....etc
このように、コンバージョンに寄与するようなセグメント配信も、Linyなら実現できます。Linyを使ってどのようなLINE運用ができるのか、ぜひ詳細ページでご確認ください。
3. 反応率の高いコンテンツを見つけ出そう
最後は、コンテンツの改善点の検討です。
- ユーザーの反応が良かったメッセージ、悪かったメッセージはどれでしょうか?
- 反応率に差が出た理由は何でしょうか?内容とデザインのそれぞれの観点で考えてみましょう。
このように、それぞれのメッセージの反応率を分析することで、最適なコンテンツの傾向が見えてきます。
まとめ - 分析結果を次の配信計画に活かそう!
LINE運用におけるPDCAサイクルの一連の流れをご紹介しました。
Action(改善)フェーズを実施したら、次のPlan(計画)に反映させていきましょう。このように、PDCAサイクルを継続して回すことによって、効果をより高める最適なメッセージ配信が実現していきます。
ぜひこれからのLINE運用に活かしてください。