この記事では、「LINE公式アカウントで何通配信するといくらになるのか?」といった疑問を解決するため、LINE公式アカウントの「従量課金」の仕組みや計算方法について詳しく解説します。
LINE公式アカウントの従量課金の計算方法は少しややこしいため、例を用いて丁寧にご紹介します。また、配信コストを抑える方法もお伝えするので、是非最後までご覧ください。
LINE公式アカウントの従量課金の仕組みと計算方法
LINE公式アカウントは、メッセージの送信通数に応じて料金が設定される「従量課金方式」を採用しています。プランによっては、従量課金のメッセージ配信ができない場合もあるため、まずはLINE公式アカウントの料金プランの仕組みをご紹介します。
LINE公式アカウントの3つの料金プラン
LINE公式アカウントの料金プランは以下です。
どのプランでも同じ機能が利用できます。プランによって異なるのは1ヶ月に送信することができるメッセージ通数のみです。
ここで注目していただきたいのは、無料メッセージと追加メッセージです。
「コミュニケーションプラン」と「ライトプラン」は、無料のメッセージ通数に追加してメッセージを送付することはできません。「スタンダードプラン」のみ、追加メッセージを送付することができます。従量課金は、この「追加メッセージ」に対して適用される料金体系です。
従量課金の計算方法は?
スタンダードプランで追加のメッセージを送付する場合は、以下の料金テーブルが適用されます。
50,000通までは1通あたり3円の料金がかかり、それ以降はメッセージの配信数に応じて1通あたりの料金が変わります。
【計算方法の解説】
上記の例を詳しく見ていきましょう。200,000通(20万通)を追加で配信したとします。
- 1〜50,000通の50,000通は3円/通:50,000通 × 3円 = 150,000円(15万円)
- 次の、50,001〜100,000通の50,000通は2.8円/通:50,000通 × 2.8円 = 140,000円(14万円)
- 次の、100,001〜200,000通の100,000通は、2.6円/通:100,000通 × 2.6円 = 260,000円(26万円)
つまり、200,000通を送付した場合は、上記の1-3を全て足した値となります。
150,000円 + 140,000円 + 260,000円 = 550,000円(55万円)
これが、LINE公式アカウントの従量課金の計算方法です。
従量課金の対象となるメッセージの種類を解説
実は、LINE公式アカウントから送付するメッセージの全てが、通数としてカウントされるわけではありません。以下にカウントされるメッセージ、されないメッセージをまとめました。
カウントされるメッセージ
- メッセージ配信(絞り込み配信)
- ステップ配信
カウントされないメッセージ・投稿
- チャットのメッセージ
- あいさつメッセージ
- 応答メッセージ(自動応答)
- VOOM投稿
簡単に言うと、通常のメッセージ配信や、ステップ配信を利用して送付するメッセージはカウント対象となり、それ以外はメッセージ通数としてカウントされません。是非知っておいてください。
配信コストを抑える3つの方法!
スタンダードプランを利用している場合はなるべくメッセージ通数を抑え、コミュニケーションプランとライトプランを利用している場合は無料メッセージ通数内に収まるように配信する必要があります。
ここからは、配信コストを抑えるための3つの方法について解説します。
- 配信先を絞り込む
- あいさつメッセージを使う
- リッチメニューと応答メッセージ(自動応答)を使う
順番に紹介していきます。
1. 配信先を絞り込む
最もよく利用されるのは、メッセージ配信を行う際に配信先を絞り込む方法です。セグメント配信とも呼ばれます。
友だち全てに送付するのではなく、配信効果がありそうな人に限定してメッセージを配信することで、メッセージ通数を抑えることができます。また、配信先を絞ることにより、ブロック率の軽減も期待できます。
絞り込む方法には、「属性」と「オーディエンス」の2つの方法があります。
属性について
属性は、LINE公式アカウントが、LINEユーザーのスタンプや追加しているLINE公式アカウントなどから推定して、自動的に振り分けを行ったものです。以下の種類があります。
- 友だち期間
- 性別
- 年齢
- OS
- エリア
オーディエンスについて
オーディエンスは、ユーザーのLINE公式アカウント上の行動や、運用者が設定した情報によって振り分けるものです。以下の種類があります。
- メッセージクリック
- メッセージインプレッション
- リッチメニュークリック
- リッチメニューインプレッション
- 友だち追加経路
- チャットタグ
- 予約
- ユーザーIDアップロード
- ウェブトラフィック
これらを利用して配信先を絞り込むことが可能です。例えば、属性を利用して東京に住む30代の女性だけにメッセージを送付したり、オーディエンスを利用して前回のメッセージ内のリンクをクリックした人にだけ送付したりすることができます。
一方で、絞り込みには以下の制約があるためご注意ください。
- 「属性」を利用して絞り込みを行うときは、ターゲットリーチ数(=配信されるユーザー数)が100人以上必要
- 「属性」はLINEが独自に推計したデータとなっているため確実ではない
- 「オーディエンス」はターゲットリーチ数が50人以上必要な場合が多い(*)
- 「属性」「オーディエンス」共に、誰に送付したのかはわからない(*)
(*チャットタグオーディエンスを除く)
詳しい絞り込み配信の方法は、以下の記事で紹介しています。
2. あいさつメッセージを使う
あいさつメッセージは、友だち追加時にユーザーに自動送信されるメッセージのことです。通常のメッセージ送信は3吹き出しまで1通として送付できますが、あいさつメッセージの場合、最大5つの吹き出しを追加することができます。
先ほど紹介したように、あいさつメッセージはメッセージ通数としてカウントされず無料で送付することができるため、これを有効活用することでメッセージ通数の削減をしてみましょう。
あいさつメッセージの詳細については、以下の記事で紹介しています。
3. リッチメニューと応答メッセージ(自動応答)を使う
メッセージ配信でコンテンツを届けるだけではなく、ユーザーがリッチメニューをタップすることで、メッセージを自動表示させることが可能です。この場合、「リッチメニュー」と「応答メッセージ」を連動する設定を行うことで、リッチメニューをタップしてテキストを表示させ、そのテキストに反応して、応答メッセージを発動させる流れにします。
例えば、リッチメニューの「トラブル時のご連絡」のメニューをタップすると、カードタイプメッセージが送付されるようにすることが可能です。
この方法でメッセージが自動送付された場合、メッセージ通数としてカウントはされません。
設定方法の詳細は、以下の記事で紹介しています。
さらに、配信コストを抑えつつ "成果" を出すメッセージ配信をするなら?
ここまで、LINE公式アカウントを活用して配信数を削減する方法をご紹介してきました。一方で、以下のような課題や要望を抱える方は少なくありません。
- LINE公式アカウントの絞り込み配信には制約があってうまく使えない...
- もっと簡単に、自由に、効果的に、セグメント配信ができないの?
- リッチメニューをミニホームページのようにして、ユーザーに必要な情報を集約させたい
そんな時は、LINEマーケティングツールのLinyを活用することで、これらの課題や要望を解決してひとりひとりに適したパーソナル配信やリッチメニューの設計が行えます。
Linyは、LINE公式アカウントのサポートツールです。LINE公式アカウントとLinyを併用することで、LINE公式アカウントだけではできない「顧客管理」「セグメント配信」「予約管理」などが実現します。
Linyを使うことで、さらに配信コストを抑えつつ、成果につながるメッセージ配信やコンテンツの提供が可能です。ここではLinyユーザーによく活用されている2つの方法をご紹介します。
- セグメント配信で送信数を抑えつつ、成果につなげる配信へ
- タブ形式のリッチメニューでWebサイトのようにLINEを活用
順番にご紹介していきましょう。
1. セグメント配信で送信数を抑えつつ、成果につなげる配信へ
Linyでは、ユーザーの行動や回答を保存して、それらをもとに具体的なセグメント配信のプランを立てることが可能です。誰に送付しているのかが明確なので、効果的なLINEマーケティング施策が可能になります。
ここからは、LINE公式アカウントだけでは実施が難しく、Linyを用いることで実現可能な配信の例をご紹介していきます。
配信先が少なくてもセグメント配信が可能
LINE公式アカウントでセグメント配信をする際は、「絞り込んだ数が50人や100人以上必要」といった条件が設定されている場合があります。
Linyには、セグメント配信する際の配信数の制限はありません。1人から送付することができるため、友だち数が少ないアカウントや配信先を限定して送付したい場合でも、ストレスなくセグメント配信ができます。
例えば、複数の条件で絞り込みを行い、数人だけに特別なメッセージを送付することも可能です。また、さまざまな条件でセグメントを設定してABテストを実施できるため、効果の高い配信パターンを見つけることも容易です。
誰にどんなメッセージを送付したのかがわかる
LINE公式アカウントではチャット可能なユーザーに対してタグやノートなどを設定することができますが、Linyは友だちになったすべてのユーザーがリスト上に表示され、ユーザー一人ひとりに管理画面が用意されます。
また、LINE公式アカウントのチャットリストでは、チャットのやり取りしか表示されませんが、Linyの場合はメッセージの一斉配信で送付したメッセージを、一人ひとりの管理画面で確認することができます。
誰にどんなメッセージを送付したのかが一目でわかるため、マーケティング施策を実施する際の企画も立てやすく、さらにチャット対応を行う際のコミュニケーションの齟齬の防止にも役立ちます。
アンケートに基づいたセグメント配信ができる
Linyには回答フォーム機能があり、簡単にアンケートフォームや申し込みフォームの作成ができます。ユーザーの回答は自動でユーザー個別の管理画面に蓄積され、いつでも参照可能です。
このユーザーの回答に基づいてセグメント配信ができます。例えば以下のような配信例が挙げられます。
- プレミアム会員にだけ配信
- 会員情報の未登録者だけに配信
- 自分が担当している顧客だけに配信
- ある商品に興味を持った人にだけ配信
- キャンペーンに申し込みをした人だけに配信
- 特定の店舗をお気に入り登録した人にだけ配信
例えば、美容院で会員登録フォーム内に担当スタイリストの項目を用意しておけば、配信時に担当スタイリストで絞り込み配信を行うことが可能です。急なキャンセル枠に対して予約を受け付けたい場合や、カットモデルを募集する際にも役立ちます。
アンケートについては以下の記事で詳しく紹介しています。
スコアリングして送付先を限定する
Linyでは、ユーザー行動をスコアリングすることが可能です。例えば、リッチメニューのタップ回数や、アンケートへの回答の有無、Webサイトへの訪問回数などを自動で計測・蓄積することができます。
スコアリングはセグメント配信に活用ができます。例えば、スコアが高い人にだけ特別な案内を送ったり、スコアが低い人には特定のクーポンを送付して関係構築を始めることが可能です。
ユーザーの実際の行動を計測してそれをマーケティングに活かすことで、少ないメッセージでも高い成果が期待できます。
回答フォームを利用して、長文や写真付きコンテンツを送付する
LINE公式アカウントのメッセージ配信では、1吹き出し500文字という制限があります。もし長文を送付したい場合は、最大3吹き出しを重ねることで、1500文字まで送付することができます。ですが、文字ばかりが1500文字続いてしまうと読みづらく、ユーザーの離脱につながる可能性が高いです。
先ほどご紹介したLinyの回答フォームは、アンケートだけではなく写真付きのWebコンテンツを簡単に作成できる機能としても活用が可能です。
コンテンツの最後に簡単な質問(例「試してみたいと思った」「役に立った」「次回の配信も読みたい」)を設定して回答してもらうことで、スコアリングや次回のセグメント配信に活用することができます。
2. タブ形式のリッチメニューでWebサイトのようにLINEを活用!
Linyのリッチメニュー機能では、「複数のリッチメニューをタブで切り替える」「ユーザーによってリッチメニューを出し分ける」ことが可能です。
この機能を利用することで、まるでLINE内にミニホームページがあるようなユーザー体験を提供できます。ユーザーは自分でリッチメニューを切り替えたり確認したりすることで、メニュー内のコンテンツを回遊することが可能です。コンテンツに繰り返し触れることで、エンゲージメントが高まり、申し込みにつながるチャンスが増えるでしょう。
タブ形式のリッチメニューや、ユーザーによってリッチメニューを切り替える方法については、以下の記事で詳しく紹介しています。
まとめ
LINE公式アカウントのスタンダードプランのみ、1ヶ月に送信できる無料のメッセージ通数を超えて追加メッセージを送信でき、超過した分のメッセージは通数に応じた従量課金の仕組みが用いられていることをご紹介しました。
配信コストを削減するためにメッセージ通数を抑える方法としては、セグメント配信やリッチメニュー、自動応答などの機能を活用することが重要です。
さらに、メッセージ通数を抑えつつ成果につながる配信をする場合には、LINEマーケティングツールのLinyの活用がおすすめです。
「今は配信コストがかなりかかっているが、どれぐらいメッセージ通数を削減できるか知りたい」「Linyを使ったセグメント配信の事例が知りたい」「自社で検討しているセグメント配信はLinyで実現できるかを知りたい」など、Linyを活用した配信のご相談はお気軽にお問い合わせください。