企業や店舗用のLINEアカウントであるLINE公式アカウント。LINE社より2023年6月1日に、全ての料金プランの内容を改定するという発表がありました。
- どのようにプランが変更になったのか?
- 変更によってどのような影響があるのか?
- 準備/対策は何か?
について説明していきます。
LINE公式アカウントの料金プラン改定の内容は?
2022年10月31日、LINE社は、翌年の2023年6月に「LINE公式アカウント」の料金プランを改定する予定であることを発表しました。
▼改定後の料金プラン

2023年6月の料金プラン 引用:https://www.linebiz.com/jp/news/20221031/
▼改訂前の料金プラン

現在の料金プラン
引用元:https://www.linebiz.com/jp/news/20221031/
改定後も、0円プラン、月額5,000円プラン、月額15,000円プランの3プランがあります。
金額や利用できる機能に変わりませんが、1ヶ月に送信できるメッセージ通数が、大幅に減少となりました。
◆1ヶ月に送信できるメッセージ通数の変化
- 0円プラン:1,000通 → 200通(800通 減少)
- 5,000円プラン:15,000通 → 5,000通(10,000通 減少)
- 15,000円プラン:45,000通 → 30,000通(15,000通 減少)
さらに、5,000円プランでは、設定されたメッセージ通数を超えた場合、今までは1通5円でメッセージを追加で送信できていましたが、追加送信が不可となっています。
送信できるメッセージ通数が、大幅に少なくなったことで、LINE公式アカウントを運用しているほとんどの方に、何らかの影響が出てくるでしょう。
◆なぜ、LINE公式アカウントの料金が改定になったのか?考えてみた
LINE社の発表を、”筆者なり” に解釈すると、
- 一斉配信による一方的なコミュニケーションが多く、それを『課題』と感じている
- 適切ではないメッセージを減らして欲しい
- そのために、3つの取り組みを進めている(①ユーザーの興味関心に基づく絞り込み配信機能の強化 ②PayPayやYahoo!JAPANなどのZHDグループ各社サービスとの連携によるユーザー接点の強化 ③業種特化型パッケージプランの提供)
- これらを活用して、メッセージ通数を減らしつつ、適切なコミュニケーションに変更してほしい
※ LINE社の発表は、こちらからご確認ください。https://www.linebiz.com/jp/news/20221031/
つまり、
- 適切なメッセージだけを送信すれば、メッセージ通数は減る!
- だから、料金プランのメッセージ通数を少なくした!
- そのために、機能やサービスを活用してほしい!
というポイントに絞られると考えます。
変更によってどのような影響があるのか?
では、従来の運用を行なった場合、具体的に、どのような影響があるのかを考えてみます。
▼0円プラン(フリープラン)利用の場合(現1,000通 → 新200通)
今まで通り、1,000通送信したい場合は、月に5,000円のプランに変更することになります。
メッセージ配信数を抑える場合は、例えば、以下のように計算します。
- 友だちが200人いた場合、今まで月に4回送信できていたメッセージ(200×4=1,000通)を、1回のみの配信(200×1=200通)にする
- 友だちが100人いた場合、今まで月に4回送信できていたメッセージ(100×4=400通)を、2回のみの配信(100×2=200通)にする
▼5,000円プラン(ライトプラン)利用の場合(現15,000通 → 新5,000通)
今まで通り、15,000通送信したい場合は、月に15,000円のプランに変更することになります。
メッセージ配信数を抑える場合は、例えば、以下のように計算します。
- 友だちが1000人いた場合、今まで月に4回送信できていたメッセージ(1000×4=4,000通)は、変わらず送信可能
- 友だちが5000人いた場合、今まで月に3回送信できていたメッセージ(5000×3=15,000通)を、1回のみの配信(5000×1=5000通)にする
▼15,000円プラン(スタンダードプラン)利用の場合(現45,000通 → 新30,000通)
今まで通り、45,000通送信したい場合は、現状の15,000円のプランにプラスして、「15,000通(45,000通 - 30,000通)」分の追加メッセージ料金の支払いが必要です。
配信方法の「転換」をしよう!
上記で紹介した計算では、「送信回数」を調整しました。
ここで、1つ、配信方法の考え方の変更をお勧めします。
メッセージ通数 = 友だち数 × 送信回数
↓↓↓
メッセージ通数 = ターゲットリーチ数 × 送信回数
つまり、「送信回数」だけを調整するのではなく、送信する人数を「友だち数」から「ターゲットリーチ数」に置き換えて、運用方針を立てていきます。
◆ターゲットリーチ数とは?【絞り込み配信を使って、配信数を絞る方法】
ターゲットリーチ数とは、友だちの総数ではなく、実際にメッセージが配信される友だちの数です。
メッセージ配信には、友だちを絞り込んで配信する方法があります。例えば、
- 友だちの属性によって絞り込む(性別、年代、地域など)
- チャットタグがついている友だちを絞り込んで配信する
- 前回送信したメッセージを開封した友だちを絞り込んで配信する
などで、配信する友だちを絞り込むことができます。絞り込んだ友だちの数を、ターゲットリーチ数と言います。この絞り込み配信をうまく活用することで、送信先の数を減らすことにつながります。
実際、友だち数が多いアカウントや、友だちに不要なメッセージ配信をしたくないアカウントは、すでに絞り込み配信を活用して、メッセージ通数の大幅な削減を行っています。
さらに、メッセージを絞り込んで配信することで、「情報を必要な人にだけ届ける」ことができ、コンバージョンのアップにも繋がっていきます。
絞り込み配信については、「LINE公式アカウントのセグメント配信とは?設定方法も解説!」記事を参照してください。
料金プラン改定の「重要ポイント」まとめ
2023年6月1日から、LINE公式アカウントの全ての料金プランの内容が改定になりました。
重要なポイントは下記です。
- 全てのプランで送信できるメッセージ通数が激減する
- そのため、今までのメッセージ通数の上限で運用する場合は、実質値上げとなる
- メッセージ通数を適正化するためには、メッセージを絞り込んで、必要な人に必要な情報だけを届ける運用にする
この変更に合わせて、メッセージの絞り込み配信と、ユーザー理解を深めて、新たなLINE運用を行なっていきましょう!