マーケティング

顧客管理とは?重要性やシステム・ツール導入のメリット

2021年6月3日

顧客管理とは?重要性やシステム・ツール導入のメリットについて

この記事では、顧客管理(CRM)について、また、顧客管理を行うためのツール導入のメリットや選定方法をご紹介します。

顧客管理(CRM)とは

顧客管理とは、CRM(Customer Relation Management)とも呼ばれ、顧客情報を適切に管理して顧客と良好な関係を築くことを指します。

顧客情報の項目には、

法人(BtoB)の場合

  • 顧客に関する一般的な情報(会社名、業種、規模、担当部署、連絡先、課題など)
  • 顧客と自社との関係に関する情報(担当者、購入履歴、対応履歴など)

個人(BtoCの場合)

  • 顧客個人に関する一般的な情報(氏名、性別、年齢、住所、趣向など)
  • 顧客と自社との関係に関する情報(購入店舗、購入履歴、対応履歴など)

などがあります。

顧客管理の目的と重要性

顧客管理を行う目的は、顧客と良い関係を築く中で、LTVを最大化することです。LTVとは、Life Time Value(顧客生涯価値)の略で、「顧客が将来も含めてどれぐらいの利益が得られるか」を計算したものです。

市場が成熟し競合サービスが増え、顧客の情報収集方法も多様化する中で、新規顧客の獲得にかかる費用はかさんできます。今では、新規顧客を獲得して販売に至るコストは、既存顧客に対してかかるコストの5倍と言われています。

1:5の法則

新規顧客の獲得には「コスト」がかかる

つまり、「新規顧客をどう獲得するかよりも、既存顧客にどうアプローチしするのか」というLTVの重要性が増してきているということです。

BtoBの場合には、長期的な関係を築き、商品やサービスを継続利用してもらう考え方が根付いてきているでしょう。BtoCの場合においても、新規顧客を狙うだけではなく、一度来店したお客様にファンになってもらい、リピーターとして来訪してもらうような施策に切り替えているお店も少なくありません。

中長期的に安定した売上を実現するためには、顧客が望んでいる情報やサービスをリアルタイムに把握して提供することで、よりよい顧客体験を創造していくことが重要です。

エクセルやスプレッドシートでの顧客管理では不十分

エクセル

顧客管理を行うために、エクセルを利用している企業もあるでしょう。

エクセル管理のメリットは、一般的なソフトであるため利用できる方が多く、ユーザーが学習なしでスムーズに運用したり、エクセルでの顧客管理の事例がネット上で容易に見つけられるという点があります。一方、エクセル管理のデメリットは、1つのファイルを複数人で同時に変更を加えたり保存することができないことが挙げられます。

この課題を解決するのは、Google社が提供しているスプレッドシートというサービスです。機能はエクセルとほぼ同様ですが、データがオンライン上で管理されており、複数人でリアルタイムに修正や変更を加えられる点が異なります。

スプレッドシートのデメリットは、オンライン上で管理されているため通信が発生し、入力や処理のスピードの動作が遅いところです。また、過去にはGoogle社の通信障害が発生し、その間、スプレッドシートの利用ができないという状況がありました。

また、エクセル/スプレッドシートのどちらにも生じる問題点として、

  • 管理顧客の件数や項目が増えてくると、視認性が落ちる
  • 同じようなファイルが複数作成され、管理が煩雑になる

などが挙げられ、エクセルやスプレッドシートのみで顧客管理を行うのは不十分と言えるでしょう。

顧客管理システム・ツールの導入メリット

顧客管理システム

顧客管理システムやツールは、各社が提供しているため、それぞれ特徴がありますが、ここでは一般的な顧客管理システムの導入メリットを紹介します。

情報の一元管理・可視化ができる

最も重要な点は、顧客情報を一元管理し、重要なデータを可視化できることです。

顧客管理システムがない場合、顧客情報は様々なツール上に点在していたり、部署ごとに異なるファイルで管理されている場合があるでしょう。

「顧客情報を参照したい」と思った時に、複数のツールやファイルにアクセスする必要があったり、部署間で情報を共有する手間も出てきます。

顧客管理システムを導入し、顧客情報をシステム内に集約することで、情報の一元管理ができ、どの部署からでも顧客情報を参照することが可能になります。

更に、顧客管理システムには、重要なデータを計算処理したり、表やグラフなどにして可視化する機能が備わっているものもあります。情報をシステムに入力するだけで、日々の業務に必要なデータが容易に得られます。

マーケティング施策のPDCAが高速で回せる

先ほど挙げたように、顧客管理システムは、データを可視化する機能があります。その機能を活用し、マーケティング施策に必要な分析をスピーディーに行えます。

例えば、

  • Aという商品を購入している顧客の共通点を見つけ、その属性の顧客が抱える問題を考え、次の商品のアイデアを生み出す
  • 新商品を購入している顧客を分析して、広告をどのように打つかを検討する

など、一元管理している顧客情報を様々な切り口で可視化することで、マーケティング施策のPDCAを高速で回すことが可能です。

情報入力などの作業工数の削減ができる

顧客管理システムがあれば、情報を入力する場所が決まっている為、同じ情報を複数のファイルに入力するような作業が不要になり、工数削減に繋がります。

さらに、顧客管理システムの中には、顧客情報を手入力するだけではなく、自動で顧客の行動履歴を収集・蓄積してくれる仕組みもあります。

例えば、キャンペーンサイトのURLを含めたメッセージを送付し、ユーザーがそのURLにアクセスしたかどうかを自動で顧客管理システムに反映させられます。

顧客数が多くなればなるほど、自動で情報を収集してくれる仕組みは重要です。BtoCのサービスの場合は、顧客数も多くなるため、このような仕組みを求める企業も増えています。

顧客管理システム・ツールを選ぶ際のポイント

ポイント

様々な顧客管理システムやツールがある中で、どのようなポイントで選定すれば良いのかを紹介します。

課題と目的を明確にする

まずは、システム導入の課題と目的を明確にしましょう。

顧客管理システムを利用する部署のニーズをヒアリングしながら、

  • なぜ顧客管理システムを導入したいと思ったのか
  • なぜ今のままでは良くないのか(課題は何か)
  • 何が最低できればよいのか(目的の最低ラインはどこか)
  • 追加であると嬉しい機能はなにか(目的の希望ラインはどこか)

を明確にして、顧客管理ツールを選んでいかれると良いでしょう。

システム・ツールの特性を理解する

システムやツールには、それぞれ特性があります。

例えば、

  • 汎用的な顧客管理システム
  • 最小限の機能のみに絞ったシンプルなシステム
  • カスタマイズや拡張が容易なシステム
  • ECサイトの顧客向けに特化したシステム
  • BtoCのお客様に強いシステム

などです。各社が押し出しているセールスポイントを見ながら、自社に合いそうなツールを絞っていきましょう。

BtoBとBtoCではツールの機能が異なる

BtoBでは、メールと紐付けて管理したり、営業が対応した内容を記録することが多い一方、BtoCでは、店舗やネットショップでの購入履歴と共に、HPにアクセスしたか、アンケートに回答したかなど、オンライン上での行動履歴を蓄積することも重要です。

BtoBとBtoC向けの顧客管理システムは、必要な機能が異なります。どちら向けのシステムなのかを理解して選びましょう。

BtoCは「LINE」での顧客管理がおすすめ

LINEアプリの普及により、「LINE公式アカウント」を開設して、マーケティング活動や販売促進を行う企業も増えてきました。

LINE公式アカウントは、店舗や企業のLINEアカウントです。LINEアプリを通じて、セールや新商品の情報を配信したり、イベントの告知に使うことができます。

開設数は300万件以上にものぼり、アカウントと友だちになったユーザーの半数近くがクーポン利用やキャンペーン応募などの行動に繋がっています。(※2019年1月時点  LINE公式アカウントHPより)

参考:LINE公式アカウントについて

主にBtoCのサービスを提供している企業や店舗では、LINE公式アカウントを利用して顧客管理を行うケースが増えてきています。

「LINE」を利用して顧客管理をおすすめする理由

  • LINEの利用者は8000万人以上、幅広い年齢が利用している

LINEは国内ユーザー数No.1のSNSです。日本のネット利用人口の9割以上が利用しているアプリで、日本の生活インフラの一部になってきています。毎日利用しているユーザーは86%にものぼります。

性別・年齢・職業問わず幅広い属性の方々が利用しているため、様々なサービスの顧客をカバーします。

  • 無料で始められる

LINE公式アカウントは無料で開設可能で、料金プランの中で「コミュニケーションプラン」を選べば、毎月200通までのメッセージ配信が無料で利用できます。無料でLINE公式アカウントの運用を始められるため、自社に合うかどうかを手軽に試してみることが可能です。

  • 友だちにタグやメモを登録して顧客管理ができる

LINE公式アカウントでは、1:1でチャットを行う友だちに、タグやメモを登録することができます。BtoCのサービスを提供している企業では、このチャットのタグやノート機能を活用し、LINE公式アカウント内で顧客管理を行うケースが増えてきています。

LINE公式アカウントチャット画面

LINE公式アカウントのチャット画面。タグやメモを残すことができる。

LINEでの顧客管理なら「Liny」

LINE公式アカウントでは、チャットが可能な友だちに「タグ」や「メモ」を付与して友だちの情報を管理することはできますが、以下の機能がありません。

LINE公式アカウントではできないこと:

  • 「アンケート情報」を友だちに紐づけて保存
  • 友だちがタップした「サイト訪問情報」の蓄積
  • 「タグ」や「メモ」を活用したセグメント配信

つまり、LINE公式アカウントだけでは、詳細な顧客管理や顧客情報を活用したメッセージ配信が困難です。

LINEの友だちの情報を細かく管理し、その情報を活用してセグメント配信したり、販売促進の企画を行うには、LINE公式アカウントのサポートツール、「Liny」がおすすめです。

LINEの顧客管理に「Liny」をおすすめする理由

Linyでは、友だち一人一人に個別のページが用意されており、顧客情報を収集・蓄積していくことができます。

顧客情報

友だちの情報を管理するページが用意されている。

例えば、以下のような運用が実現できます。

  • アンケートで顧客情報を収集し、自動で顧客情報ページに保存

Linyではカスタマイズが自由なアンケートフォームを作成でき、友だちに配信することで顧客情報を収集することができます。例えば、友だちが追加されたタイミングでアンケートに回答してもらい、その情報をセグメント配信に活かせます。

※ LINE公式アカウントのリサーチ機能では友だち個人と回答を結びつけられません。また、選択式の質問しか作成できず、自由記入の質問は作成できません。

  • 友だちがURLをクリックした行動履歴を自動で収集・蓄積

友だちに配信したURLのクリック数、クリック率などを確認することができます。

クリックしてくれた友だちを識別することもでき、クリックしてくれた友だちに「タグ」を付与し、セグメント配信などに活用できます。

URLクリック測定

URLのクリック人数やクリック率を確認できる。また、どの友だちがクリックしたのかも識別可能。

  • 収集した情報を活用し、問い合わせ対応やセグメント配信を行う

Linyでは友だちごとに用意されている個別ページに情報を蓄積し、その情報を参照しながら一人一人に適した問い合わせ対応を行えます。

友だち情報

友だちに個別のページが用意されており、ページ内に収集した情報を蓄積していくことができる。

また、収集した情報を活用して、セグメント配信を行うことができます。

セグメント配信

同じ「ランキングサイト」に誘導させたい場合、「敏感肌」のタグが付いている人には「敏感肌用の画像」を、「オイリー肌」のタグが付いている人には「オイリー肌用の画像」を配信してクリック率を高める。

参考:Linyについて

顧客管理ツール「Liny」の導入事例

Linyを導入し、顧客管理を行われている企業事例をご紹介します。

【ブライダル業界】顧客情報はLinyで管理しLINEでコミュニケーションを実現

株式会社スキナ

ブライダル事業に携わる株式会社スキナでは、新郎新婦とのコミュニケーションツールとしてLINE公式アカウントを導入。顧客ごとにタグ付けや情報の記録を行い、Liny上で顧客管理を行われています。さらにタグをつけた顧客のみにコンテンツを配信する設定を行い、セグメント配信も自動化されています。

詳細はこちら

【店舗・小売】複数店舗のお客様情報をLINEで一元管理

総合販売代理店の関彰商事株式会社では、複数店舗のLINEの友だちを「グループのお客様」という視点で顧客管理とマーケティング施策を推進するため、Linyを導入。アンケートで顧客情報を収集し、お客様一人ひとりに合ったパーソナルアプローチを展開されています。

 

詳細はこちら

まとめ

顧客を深く理解し、長期的な関係を築いていくために、顧客管理は大変重要です。

顧客管理をするための仕組みやツールは様々な種類があります。自社に適した仕組みを導入していきましょう。

もしも、BtoCのビジネスを行なっていて、LINE公式アカウントを運用されている場合は、Linyを利用した顧客管理がおすすめです。以下のリンクから詳細をご覧ください。

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Linyとは、LINE公式アカウントの機能拡張ツールです。

顧客とのやりとりの中で、好みの属性を自動で収集・管理することができ、
集めた顧客情報をもとに、一人ひとりの嗜好に合わせた情報だけを配信できるので
反応率・売上のUPにつながり、運用負担も軽減します。

Linyの導入事例はこちら

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  • この記事を書いた人

鈴木優

LINE運用アドバイザー・Webディレクター・ライター。 【LINE公式アカウントBasic認定資格】保持。 LINE&Linyを利用した新規ビジネスの立ち上げに関わった経験を経て、現在はLINE&Liny運用アドバイザーとして導入・運用サポートを行う。当ブログで情報発信もしています。

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