LINE公式アカウントを運用していると、気になるのが「ブロック率」です。LINE公式アカウントのブロック率は、一般的に20〜30%とされています。ですが、配信内容や頻度、また友だち獲得施策次第で大きく変動します。
本記事では、ブロックにつながる主な原因と改善方法を詳しく解説します。ぜひ今日から取り入れてみてください。
LINE公式アカウントのブロック率の平均は?
LINE公式アカウントのブロック率は、20〜30%程度と言われています。ただし、アカウントによって差は大きく、10%台のアカウントや40%を超えるアカウントもあります。
例えば、「飲食店でドリンク無料クーポンをきっかけに友だち追加をしたものの、その後の配信が多すぎて結局ブロックしてしまった」というような体験をした方も少なくないでしょう。
このように、友だち獲得の方法や配信設計、友だち追加広告の利用などによってブロック率は大きく変動します。平均を大きく上回る場合や、新しい施策を実施した後で急に上昇した場合は、運用方法の見直しが必要です。
LINE公式アカウントがブロックされる原因
ユーザーがLINE公式アカウントをブロックする要因は様々ですが、主な理由は大きく3つに整理できます。
配信内容に興味がない
よく見られるのが、ユーザーの関心と配信内容がずれているケースです。興味のない情報が続くと、アカウント全体への関心も失われ、ブロックにつながります。
例えば、女性ユーザーに男性向け商品の案内が届いたり、関西に住んでいる方に関東のセール情報ばかりが届いたりすると、「自分には関係ない」と感じてブロックしてしまいます。
さらに、同じような告知を繰り返すなど新鮮味のない配信も、ユーザーの満足度を下げる要因です。
まずは属性・興味を把握し、配信内容がユーザーの期待に合っているかを確認しましょう。
メッセージ配信頻度が高い
メッセージの配信頻度が過度になることも、ブロックの大きな要因です。LINEの通知は開封されやすい反面、頻繁に届くとユーザーに「煩わしさ」を感じさせてしまいます。
特に、関心がない内容のメッセージが高頻度で届くと、ブロック率の上昇につながりやすくなります。
自社のメッセージ配信が「有益な情報」ではなく「通知の負担」と受け止められていないかを確認し、頻度を調整することが重要です。
店舗やサービスを利用しない
特典を目的に友だち追加をしたユーザーは、クーポンやスタンプを受け取った時点でブロックするケースが少なくありません。
また、時間の経過とともにライフスタイルや興味関心が変化し、そもそも店舗やサービスを利用しなくなることもあります。
こうしたブロックは配信内容の良し悪しとは直接的な関係は薄く、自然な現象とも考えられます。重要なのは「どのような理由でブロックが起きているのか」を把握し、運用改善で対応できる部分とそうでない部分を区別して考えることです。
LINE公式アカウントのブロック率の計算式・確認方法
自社のLINE公式アカウントで、どの程度のブロック率になっているかは、以下の計算式で把握できます。
ブロック率の計算式
ブロック率(%)= ブロック数 ÷ 友だち数(合計) × 100
例:友だち数の合計が500人、うち100人がブロックしている場合、「 100 ÷ 500 × 100 = 20%」
ブロック率の確認方法
LINE公式アカウントの管理画面で、現在の友だち数とブロック数を確認しましょう。
管理画面にログインし、「分析」タブ > サイドメニューから「友だち」を開き、以下の画面で確認できます。

「分析」タブを開き、サイドメニューから「友だち」を選択する
- 友だち追加:友だち追加数の合計(友だち数)
- ブロック:ブロックしている人数
ブロック率は一度算出して終わりではなく、推移をチェックすることで運用改善のヒントになります。月に1度程度を目処に定点観測してみてください。
LINE公式アカウントのブロック率を下げる対策
ブロック率を下げるために重要なのは、ユーザーの行動や関心を正しく理解し、それに基づいた運用を行うことです。配信の設計次第で、ユーザーに「有益な情報」と受け止められるか、「不要な通知」と感じられるかが変わります。
ここから、具体的に取り組むべき視点と改善方法を整理します。
ユーザーを理解する
ブロック率を下げる一歩目は、自社の友だちがどのようなユーザーで構成されているかを把握することです。ユーザー像が明確でなければ、どのようなメッセージを届けるべきか判断できず、結果としてユーザーの関心からズレた配信につながりやすくなります。
ここでは、特に活用しやすい 「属性の把握」 と「過去配信の分析」 という2つの方法を取り上げます。
1. 友だちの属性を把握する
属性とは、友だちの性別、年代、地域などの推定値です。LINEヤフー社が保有する情報で、管理画面から確認できます。
「分析」タブ → 「友だち」 → 「属性」を選択すると、自社アカウント内の友だちの属性が確認可能です。

属性の確認画面の例
この情報は、配信内容の方向性を決める参考データとなります。 例えば、ユーザーの多くが30代女性であれば、その層に関心を持たれやすい商品や企画を優先的に発信するといった検討が可能です。
2. 過去の配信の反応を確認する
もう一つの重要な視点が、過去配信の反応です。
管理画面の「分析」タブ → 「メッセージ配信」から、各メッセージの開封数・クリック数などを確認できます。

メッセージ配信画面例
引用元:LINE公式アカウント 分析-メッセージ配信
このデータを分析することで、
- 開封率が高い配信:ユーザーが関心を持ちやすいテーマ
- クリック率が高い配信:実際の行動につながりやすい訴求内容
を見極めることが可能です。逆に、開封率・クリック率の双方が低い配信は、ユーザーに価値が伝わっていない可能性が高いと考えられます。
こうした結果をもとに「強化すべきテーマ」と「改善すべきテーマ」を切り分けることで、配信全体の質を高め、ブロック防止につなげられます。
メッセージ配信を見直す
ブロック率を下げるための改善ポイントの中でも、特に影響が大きいのがメッセージ配信の設計です。
配信の内容・頻度・時間帯・見せ方・配信対象のいずれかが適切でなければ、メッセージの通知が負担に感じてしまいます。ここでは、配信を見直す際に押さえておきたい5つの視点を整理します。
1. 内容を見直す
まず見直すべきは配信する内容そのものです。先ほどのユーザー属性や反応データを踏まえて、ユーザーにとって有益な情報とは何かを判断することが重要です。
配信内容を検討する際は、次の基準を意識すると効果的です。
- 自分たちのアカウントに登録している理由に合致しているか
- 登録者だけが得られる価値があるか(限定性)
- ユーザーの行動につながる情報か(来店・購入・予約など)
具体例としては、限定クーポンの配布、新商品の先行案内、お役立ちコラムといった情報が代表的です。
また、アイデアが不足してきた場合は、同業界や自分が好んで見ている他社アカウントを調査し、切り口を参考にするのも有効です。
2. 配信頻度を見直す
次に見直したいのが配信頻度です。LINEヤフー社の推奨は「週1回程度」ですが、実際には業種や目的によって最適な頻度は異なります。頻度が低すぎるとユーザーはお店やサービスを思い出しづらく、高すぎると通知が負担となりブロックの原因になります。
筆者の観察では、週1の固定配信はそれほど多くは無く、月2〜4回または不定期に落ち着くアカウントが多い印象です。まずは月2〜4回から始め、開封率・ブロック率の推移を見ながら調整するのがおすすめです。
3. 配信の時間帯を見直す
配信の時間帯もブロック率に影響する要素です。ユーザーがLINEを確認しやすいタイミング、あるいはサービスを利用しようと考えるタイミングに合わせることで、有用な情報として受け取られやすくなります。
業種による一例としては、
- 飲食店:昼食前(10-12時)、夕食前(16-18時)
- 小売・エンタメ:週末イベントやセールに合わせ、金曜や祝日前
- ビジネス系やスクール系:平日の帰宅時間
といったパターンが挙げられます。
重要なのは、仮説を立てて実際の反応データで検証することです。開封率やクリック率を確認しながら、時間帯や曜日を調整していくことで、自社に最適な送信タイミングを見つけられます。
◾️ワンポイントアドバイス:曜日固定もおすすめ!
曜日を固定して配信するのも有効です。例えば「毎週金曜日は新メニューのお知らせ」と決めることで、ユーザーに習慣的に受け入れられやすくなります。
4. コンテンツの見せ方を工夫する
コンテンツの見せ方の工夫も、ブロック率の抑制に効果的です。
LINE公式アカウントでは、テキストだけでなくカードタイプメッセージやリッチメッセージ、動画、ボイスメッセージ など多様な形式が利用できます。 配信内容に合わせて表現形式を最適化することで、ユーザーに「次はどんな配信だろう」と期待してもらえるアカウント運用につながります。
コンテンツの例
- カードタイプメッセージ:複数の商品やメニューを一覧で提示したいとき
- リッチメッセージ:ビジュアル的に訴求してクリックを促したいとき
- 動画:サービスの雰囲気や手順を伝えたいとき
5. 配信先を見直す
メッセージを全員に一斉配信する方法では、ユーザーごとに異なる興味関心にすべて応えることは難しく、結果として不要と感じられる配信が増え、ブロックの要因になります。そのため、ユーザー属性や行動に応じて配信先を絞り込む「セグメント配信」が有効です。
LINE公式アカウントの標準機能では、性別・年代・地域などの属性や付与したタグを条件にして配信先を指定できます。例えば「30代女性のみ」といったセグメントを設定することで、内容の関連性を高められます。
さらに、マーケティングツール(例:当社のLiny)を併用すると、ユーザー行動に基づいた高度な配信が可能です。
- 予約日から1ヶ月後にリマインドを送る
- 資料請求後にステップ配信を行う
- アンケートの回答内容に基づいた配信を行う
といった形で、ユーザーのアクションに基づいたメッセージを届けられます。これにより、「不要だからブロックする」と感じさせず、アカウントの価値を継続的に高められます。
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あいさつメッセージを工夫する
あいさつメッセージは、友だち登録直後に自動送信されるため、アカウントの第一印象を決定づける要素です。ここで「このアカウントから何が届くのか」を明確に伝えることで、ユーザーはメッセージ受信のイメージを持ちやすくなり、結果的にブロックの抑制につながります。
具体的には、次のように「配信の内容・頻度・メリット」を簡潔に伝えると効果的です。
- 毎月5日に、LINE登録者限定クーポンをお届けします
- 毎週月曜日に、今週の新メニューを公開します
- 月に2回、お役立ちコラムを配信します
ユーザーが「受け取る価値がある」と理解できれば、登録を続ける動機付けになります。
リッチメニューやショップカードなどの機能を活用する
LINE公式アカウントには、メッセージ配信以外にもリッチメニューやショップカードといった機能が用意されています。これらはユーザーにとって「便利に使える仕組み」であり、ブロックしてしまうと利用できません。
例えば、
- リッチメニュー:よく利用されるページや予約フォームへスムーズに誘導できる
- ショップカード:来店や購入のインセンティブを提供し、リピーターを増やす
といった形で設定しておくと、メッセージ以外の場面でもアカウントの価値を感じてもらえます。情報発信だけではなく、ユーザーにとってメリットのある仕組みを備えることが、ブロック率の低減にもつながります。
ブロックは悪いことなのか?
これまでブロック率を下げる方法を解説してきましたが、ブロックは必ずしも悪いものではありません。
利用しなくなったサービスや、特典だけを目的に追加したアカウントをブロックするのは、ユーザーの自然な行動の一部です。むしろ不要な配信を避けられる点で、メッセージ通数の最適化にもつながります。
重要なのは、残っているユーザーが継続的に価値を感じているかです。その判断にはブロック率だけでなく、「開封率」「コンバージョン率(クリック率や動画再生数など)」といった指標も併せて見る必要があります。
開封率・コンバージョン率が高い配信へ
配信効果を評価するための「開封率」や「コンバージョン率」は、LINE公式アカウントの標準機能でも確認可能です。配信内容や時間帯を変えて効果検証を行えば、ユーザー満足度を高める改善サイクルを回せます。
配信をさらなる成果につなげたい場合は、マーケティングツール(例:Liny)を活用する方法もあります。
例えば、車検や点検のタイミングに合わせた自動リマインド、予約前日の自動通知、資料請求ユーザーへのステップ配信といった個別に最適化された配信を自動化できるため、効率的に成果を高めることが可能です。
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まとめ|ブロック率を下げて、成果が出る配信へ
LINE公式アカウントのブロック率は、平均値を意識するだけでなく、自社のユーザー特性を踏まえて継続的に改善していくことが重要です。
さらにブロック率だけでなく、開封率・コンバージョン率と併せて分析することで、成果につながる配信設計ができます。
今回紹介したポイントを実践すれば、ユーザーに継続的な価値を提供し、アカウントを長期的な顧客接点として成長させることができます。ぜひ自社の運用に取り入れ、成果を生み出すLINE運用を実現してください。