美容室の店舗数は年々増加し続けています。多くの美容室がある中、新規の顧客を集めながら、リピート客を増やしていくことが、安定的な経営には重要です。
この記事では、美容室の新規顧客を集客する方法と、リピート客を増やすための仕組みづくりについてご紹介していきます。
美容室の集客の悩み
- これから美容室を開業する方
- 新しい取り組みや集客方法が必要だと感じている方
- 新型コロナウイルス禍における集客方法を考えたい方
様々な状況において、集客方法を検討されている美容室やサロンがあることでしょう。
昨今、美容室の集客では以下のような悩みが寄せられます。
- 新規顧客獲得に費用がかかる
- 一度来店してもリピーターに繋がりにくい
- 集客の方法が増えてきて何をしたらいいかわからない
このような悩みを抱えた美容室では、集客をどのように行えばいいのでしょうか?
美容室での集客のポイント
まずは、集客を考える上で大切なポイントをご紹介します。
1. 自店の強みやコンセプトを明確にする
まずは、自店の強みやコンセプトの明確化です。
数ある美容室の中から、新しいお客さまに来てもらうためには、「選ばれる決め手」が必要になります。決め手を「安さ」にしてしまうと、2回目以降の正規の値段になった際に、リピート客に繋がりづらくなってしまいます。
重要なのは、数ではなくお客さまの質です。つまり、リピート可能性の高いユーザーに、見つけて選んでもらえるかが鍵となります。そのためには、①顧客の把握と、②お店の強みやコンセプトを明確化を行う必要があります。
自社の強みやコンセプト、更にお客さまのイメージを明確にしてみましょう。イメージを文章にして書き留めることで、集客に使う文章やメッセージを作る際の内容にブレがなくなります。
①顧客イメージ
- 35歳の女性
- 電車を使えば家から30分以内で店舗に行ける
- 会話は多い方ではなく、ゆったりと雑誌をみながら過ごすほうが好み
- 流行を追うのではなく、自分の好みや雰囲気に合うかを重視しており、その点で美容師の感覚と合うので長期的に通っている
顧客イメージは複数用意していると良いでしょう。
②お店の強みやコンセプト例
- 大人の女性・男性がゆっくりと過ごせる美容室
- 店内は賑やかというよりも、穏やか
- 美容師も流行や自分の価値観を押し付けることなく、お客さまの言葉やイメージを理解するよう努めている
- 雑誌のバリエーションや飲み物を豊富に用意することで、くつろげる工夫をしている
- 長く通っていただいているお客さまが多く紹介で広がっている
2. 複数の集客方法を組み合わせて新規顧客を獲得する
この後、具体的な集客方法をご紹介していきますが、オンラインの集客方法、オフライン(アナログ)の集客方法含め、沢山の種類があります。
この方法の中から、お客さまのイメージ、自社の強み・コンセプトに合うものを複数選び、組み合わせて利用していきましょう。
あまりにも手間や時間のかかるもの、知識を必要とするものから取り組んでしまうと、荷が重すぎるかもしれません。全てをやろうとせず、出来るものから取り組んでいくと良いでしょう。
3. 新規顧客にリピーターになってもらう
集客を考えると「新規顧客」をどう獲得するのかに視点がいきますが、実は一度来店された方を再来店してもらう(リピーターになってもらう)ことが最も重要です。
「1:5の法則」と呼ばれる法則をご存知ですか?
新規顧客を獲得してサービスを販売するのは、既存顧客に対してかかるコストの5倍と言われています。つまり、一度でも来店されたことのあるお客さまに、再度来店してもらうほうが、新規顧客を獲得するよりも費用が抑えられる、という考え方です。
新しい顧客を集める以上に、一度来店された方に再度来て頂くための仕組みづくりが重要になっているのです。新規顧客の集客法と同時に、リピーターになってもらうための施策も取り組んでいくことが、これからの新しい集客方法として重要になります。
美容室での効果的な集客方法(新規顧客)
ここから、新規顧客向けの集客方法を、「オンライン」「オフライン(アナログ)」の2つに分けてご紹介していきます。
オンラインの集客方法
美容ポータルサイトへの登録
集客をしようと思いすぐに思いつくのは、集客サイト「ホットペッパービューティー」「楽天ビューティー」等、美容ポータルサイトへの掲載でしょう。すでに実施されている店舗も多いかと思います。
ホットペッパービューティーでは、地域ごとに美容室が検索でき、お得なクーポンも利用できるため、利用ユーザーが多いのが特徴です。掲載料金はエリアやサービス内容で異なるため、個別の問い合わせが必要です。
割引率が高いクーポンの場合、新規顧客につながる可能性は高くなりますが、通常料金の2回目以降の来店につながらないケースも出てきてしまうでしょう。リピーターに繋げることが大変重要になるため、バランスを考えたクーポンの活用をおすすめします。
ホームページ・ブログの更新
集客サイトなどを利用していたとしても、ホームページやブログを開設し更新していくことも重要です。
サイトには、
- メニューと料金
- 営業時間
- 店舗の場所/地図
などを掲載するとともに、新規顧客にもリピーターにも興味を持ってもらえるような、
- 美容師の紹介
- ヘアスタイルの紹介
- コラム(ヘアケアなど)
などを更新していくことで、親近感を持ってもらう事ができます。
SNSでの情報発信
SNSを利用して、美容室や美容師を探すことも一般的になってきました。SNSによって、配信される情報の内容や、ユーザーの求めるものも違ってくるので、SNSを使い分けながら利用することが大切です。
Instagramは画像を掲載するSNSなので美容室のアピールには最適です。可能であれば、お客さまやカットモデルのヘアスタイルのBefore/Afterを画像やカットの様子を動画で掲載されると良いでしょう。
最近では、ヘアカタログの代わりに、Instagramで自分の好みの髪型を検索する人も増えてきています。その際、ハッシュタグを活用して検索が行われるため、ヘアスタイルやコンセプトをハッシュタグにして付与されると良いでしょう。
Facebook内に、「Facebookページ」と言われる、店舗用のページを無料で作成することができます。個人のFacebookのように情報を更新することができますが、複数名で運用したり、広告を出せる、という違いがあります。Facebookページに「いいね!」を押してくれた人はそのFacebookページの「ファン」と呼ばれます。ファンになれば、Facebookページの更新情報をタイムラインで確認できます。
Twitterは画像情報よりも文字情報の掲載に適したツールです。「拡散力」があるツールなので、企業やブランドのアカウントも増えてきました。文字情報を好むユーザーが多いため、有益な情報やトレンド、ヘアスタイルに関するテクニックなどをアップしていくなど、内容の工夫が求められます。
LINE
LINEには、店舗が運用できる「LINE公式アカウント」と言われるサービスがあります。無料から運用でき、友だちになってくれている方に対して、LINE経由でメッセージを配信できるサービスです。LINE内で検索が行えたり、タイムラインやアカウントをシェアしてもらうことができます。全くの新規顧客の集客と言うよりは、友人への紹介や、一度来店したことのあるユーザーに、再来店してもらう目的として最適なSNSです。
広告の出稿
Webサイトなどを広めるために、デジタル広告を活用することも集客の一つの方法です。デジタル広告には色々な種類があります。
例えば、有名なものには「Google広告」があります。これは、Google上で検索した際に、広告として自社のサイトを差し込むことができるサービスです。
Google広告では、「クリックごとに料金が発生する」という仕組みですが、デジタル広告の種類によって料金などが異なってきます。
このようなデジタル広告の出稿は、知識や経験が必要になってくるため、自分で運用するのは少し難しいかもしれません。利用される場合は、利用方法を学んだり、広告運用の代理店に依頼するなどの方法も検討されると良いでしょう。
Googleマイビジネスへの登録
Googleでお店などを調べた際に、右側にお店や会社の情報が掲載されていることを見られたことはありませんか?
Googleマイビジネスに登録すると、こちらに掲載されている内容を、最新の適切な情報に更新したり、口コミに対して返信を行うことなどが可能です。
新型コロナウイルスの影響で営業時間が変更になる場合など、情報を正確に保つためにも、利用しておかれると良いでしょう。無料で利用できます。
オフライン(アナログ)の集客方法
チラシの配布
オフラインの集客方法ですぐに思い浮かぶのは、チラシの配布ではないでしょうか。
地域を絞ってチラシを配布したり、クーポンをつけることも出来るため、地域によっては効果的な方法です。また、インターネットをあまり活用しない年代(40代以上など)のお客さまをイメージされている場合にも用いられると良いでしょう。
紹介制度(お友達紹介など)
美容室にとって、お友達を紹介してもらうことはとても重要です。広告費もかかりませんし、ブログやSNSのように運用する手間もかかりません。
お気に入りの美容室が無い人も多く、「どこかいい所があればそちらに移りたい」と思っている方も少なくありません。友人の行きつけの美容室をおすすめされた場合は、「せっかくなので行ってみよう!」という方も一定数いらっしゃいます。
紹介してくれた人、紹介で来てくれた人には、割引サービスや追加サービスが受けられるなどの、紹介制度を作られると良いでしょう。また、紹介制度があることを、知ってもらうことも肝心です。
集客方法の選び方
オンライン、オフライン合計10点ほどの集客方法についてご紹介をしました。
全てを用いる必要があるというわけではありません。お店やお客さまのイメージに合わせて利用するものを選びましょう。
例えば、以下のようなポイントで、集客方法を選択されると良いでしょう。参考にしてください。
意識するべきリピーターの獲得(既存顧客)
再来店されるお客様(リピーター)を増やすことは、大変重要です。
リピーターを増やすためには、当たり前のことですが、サービスに満足してもらうことが肝心です。コミュニケーションや施術の腕、ヘアスタイルの提案や共感力などを高めることは継続して必要になってくるでしょう。
その次に必要なのは、「ヘアスタイルを変えたい、メンテナンスをしたい」と思ったときには、迷わず再来店し続けてもらうことです。
そのためには、例えば以下のような取り組みが考えられます。
- 来店後のお礼メッセージの送信
- 再来店割引クーポンのお渡し
- スタンプカードの作成
- 問い合わせや予約の容易さ
- 各種キャンペーンの実施
- お誕生日割引
一度にすべて行うのは大変ですので、できるものやお店のコンセプトに合う施策を選んで、取り入れて効果を見ていかれると良いでしょう。
コロナ禍の状況では、信頼できるお店に通いたいと思うもの。このような状況だからこそ、一度来てくれたお客さまにリピートしてもらえるような仕組みづくりを考えましょう。
例えば、対策の徹底や、安心して来てもらえるお店づくりを行い、情報を配信することも一つの方法です。
リピーターの獲得にはLINEがおすすめ
先の「SNSの情報配信」でも記載しましたが、「LINE公式アカウント」は、リピーターを増やす施策を行う際に大変便利なサービスです。
LINE公式アカウントとは、店舗や企業用のLINEアカウントで、友だちになっている方に対して情報を一斉配信したり、友だちと1:1のチャットができるサービスです。無料プランもあるので、まずは試しに使ってみることも容易です。
LINE公式アカウントの主要な機能には、以下があります。
- メッセージの一斉配信/絞り込み配信
- 1:1のチャット機能
- クーポンの作成、送付
- スタンプカードの作成、運用
- リッチメニュー(LINEアカウントの下部に固定できる画像)
LINE公式アカウントの詳細はこちらをご覧ください。
LINE公式アカウントを利用した場合の運用の流れとしては、
- 初回来店時に友だち登録してもらう
- 次回以降のクーポンやスタンプカードをLINEでお渡しする
- 予約や問い合わせをLINEで行えるするようにする
- キャンペーンの情報などをLINEで配信する
などが考えられます。
運用者にとってのLINE利用のメリット
- すきま時間に予約対応を行える
予約を電話で受けずにLINEで受けるようにすることで、忙しい時に電話対応を行う必要がなくなります。手が空いた時に予約対応をLINEのチャットなどで行うことができ、来店されているお客さまを待たせることもなくなるでしょう。
予約については以下の記事も参考にしてください。
- 伝えたい情報を届けることができる
営業時間の変更やコロナ対策情報など、お客さまに知らせるべき内容をスピーディーに届けることが出来ます。最近では、情報をメールで送信しても読まれなかったり、迷惑メールボックスに届いてしまうことが少なくありません。LINEでメッセージを送付すると、ブロックされていない限りは100%届き、メールと比較して開封率も格段に高くなります。また、LINEは日常的に使われているツールなので、読まれるまでの速度も非常に速いのが特徴です。
- 他店に目移りするタイミングを減らせる
LINEで予約を受け付けるようにすると、ネットを検索する必要もないので、他店に目移りしたり比較するタイミングを減らすことができ、リピートに繋がりやすくなります。
お客さまにとってのLINE利用のメリット
- 手軽に予約を行える
予約を電話で行うには、手間がかかったり時間を選ぶ必要があります。普段利用しているLINEから予約を行うことができれば、わざわざネットで検索する必要もなく、予約したい!と思ったタイミングで、簡単に予約を入れることができます。
- LINEでメッセージを受け取る嬉しさ
好きなお店や担当の美容師からメッセージやキャンペーン情報が届くと、ユーザーとしては嬉しいものです。定期的に有益な情報を受け取ることで、親近感が増していきます。お店のファンを増やすためにも、LINE公式アカウントの活用はおすすめです。
LINEを活用した「リピート客を増やす方法」については、以下の記事も参考にしてください。
効果的なLINEの運用には「Liny」
さらに、お客様にアンケートを取って、その内容をお客様ごとに保存したり、細やかに宛先を絞り込んでメッセージの配信をしたい場合は、LINE公式アカウントのサポートツール「Liny」がおすすめです。
Linyを用いると、LINE公式アカウントだけでは行えない機能を利用することが出来ます。
例えば、
- 担当の美容師ごとに、配信するメッセージを変える
- 担当の美容師とチャットをおこなう
- アンケートで友だちの誕生日月を取得して、その月にクーポンを送る
- 来店してくれた方に対して、来店3ヶ月後に自動で再来店の割引クーポンを送る
などを行うことが可能です。
Linyについてはこちらの記事をご覧ください。
まとめ
美容室で集客を行う際には、新規のお客様を集めること、再来店のお客様を増やす施策がそれぞれ重要です。
新規のお客様を集めるためには、集客ポータルサイト、ブログ、SNSなどを用いて、まだ来店したことがない方に、お店を知ってもらいましょう。再来店のお客様を増やすためには、お店のファンになってもらうための仕組みづくりが必要です。
是非、さまざまな集客方法を組み合わせて、自店に合う方法を見つけていきましょう。