LINEのマーケティングツール「Liny」には、「シナリオ配信」機能があります。
この記事では、
- Linyのシナリオ配信とは何か
- LINE公式アカウントのステップ配信とはどう違うのか
- シナリオ配信をどのように活用できるのか
について、様々な事例を交えてご紹介していきます。
Linyの導入を検討されている方も、すでにLinyを利用されている方も、LINEの配信例として参考にしてください。
Linyのシナリオ配信とは?
「シナリオ配信」は友だちの行動をきっかけに、あらかじめ設定しておいたメッセージを任意のタイミングで自動配信できる機能です。また、友だちに合わせて配信の内容を自動で変えることもできます。
LINE公式アカウントのステップ配信との違い
LINE公式アカウントにも、ステップ配信という機能があり、友だち追加などをきっかけに、メッセージを順番に自動配信することができます。
参考:LINE公式アカウントのステップ配信とは?設定方法や配信事例も紹介
LINE公式アカウントのステップ配信との違いは、Linyのシナリオ配信の方が、より細かな条件設定やアクションの実行が可能な点です。
機能の比較を以下にまとめました(2024/10現在)。
LINE公式アカウント | Liny | |
配信開始の条件 |
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配信タイミング |
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分岐(配信対象者の絞り込み)方法 |
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実行できる内容 |
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友だちと配信の紐付け |
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このように、LINE公式アカウントだけではできない細かな設定やアクションが可能になるため、思い通りの企画や配信が実現できます。
LINE公式アカウントのオーディエンスや属性の説明については、以下で詳しく紹介しています。
Linyのシナリオ配信の特徴
Linyのシナリオ配信の特徴を、より詳しく紹介していきます。ここでは以下の4つの特徴を取り上げます。
- 自由な配信開始タイミング
- 2つの経過時間
- 細かな分岐設定
- 多様な実行内容
では、順番に見ていきましょう。
1. 自由な配信開始タイミング
シナリオを開始するタイミングを自由に設定することができます。大きく分けると、以下の2パターンあります。
- 友だち追加で開始
- ユーザーの行動をきっかけに開始
よく利用されるのは、友だち追加をきっかけにシナリオを開始する方法です。例えば、友だち追加から1日後、3日後、5日後にそれぞれメッセージを送り、申し込みや来店を促す場合に利用します。
また、ユーザーの行動をきっかけにしてシナリオを始めることもできます。例えば、QRコードの読み取り、アンケートへの回答、申し込みボタンのタップ、メッセージ内のボタンクリックなど、様々なユーザーアクションに応じてシナリオを開始できます。
さらに、Linyのシナリオ配信では、一つのシナリオから別のシナリオへの切り替えも可能です。最初は友だち追加を起点としたシナリオを配信し、その後はユーザーの行動に合わせて適切なシナリオを展開していくことができます。 このように複数のシナリオを組み合わせることで、ユーザーひとりひとりに最適化されたメッセージ配信を自動化できます。
2. 2つの経過時間
シナリオ配信やステップ配信は、任意の時間が経過したのち、メッセージが配信される仕組みです。
Linyのシナリオ配信では、この待機時間を2種類の方法で指定することができます。
- 時刻で指定
- 経過時間で指定
「時刻で指定」では、メッセージの配信時刻を指定します。例えば、「1日後の19:00」「3日後の20:30」というように、「◯日後の何時」に配信するのかを指定します。LINE公式アカウントのステップ配信はこちらのタイプです。よく利用されるのはこちらです。
一方、「経過時間で指定」では、「◯日と◯時間経過したら配信する」というように指定します。例えば、「30分後」「3時間後」「3日と1時間半後」というような設定の方法です。この場合、開始タイミングによっては夜中の配信などになる可能性もあるため、注意が必要です。一方で、時間で限定する企画やイベントなど(例:72時間限定クーポン、動画を見てから開始される3日間限定セール、入園後に順番に送られてくるメッセージ)の場合は、こちらの利用がおすすめです。
このように、用途に合わせたシナリオタイプを利用できるのが、Linyのシナリオ配信の特徴の一つです。
3. 細かな分岐設定
3つ目のポイントは、きめ細かな分岐設定です。分岐設定とは、「誰に」「どんなメッセージを送るか」という配信パターンを複数用意し、ユーザーに応じて配信分けをすることを指します。シナリオ配信の中でセグメント配信を行うようなイメージです。
LINE公式アカウントのステップ配信でも、属性やオーディエンスによる分岐は可能ですが、Linyのシナリオ配信では、ユーザーのさらに細かな行動や情報に基づいた分岐ができます。 具体的には、次のような配信分けが可能になります。
- アンケートに答えていない人には回答を促すメッセージを、すでに回答した人にはクーポンを送る
- 問い合わせ対応中の方やクレームがあった方への配信を控え、それ以外の方にのみ配信する
- サロンや美容室で担当者が決まっている人には、その担当者に関連したコンテンツを配信し、担当者がまだ決まっていない方にはスタッフ紹介のコンテンツを送る
シナリオ配信においても、ユーザーの状況や情報に合わせた思い通りのコミュニケーションが実現できます。
4. 多様な実行内容
Linyのシナリオ配信では、メッセージを送ることはもちろんのこと、他にも以下のようなアクションを実行することができます。
- リッチメニューの切り替え
- 対応マークの設定
- タグの付与 など
これを使えば、友だち追加から1週間以内は、限定リッチメニューを表示して、それ以降は通常のリッチメニューを表示するといったことも、自動で行えます。
また、対応マークを使って、友だち追加から1週間以内の方を判別できるようにしておき、問い合わせが来た場合に優先的に対応するような運用を行うことも容易です。
シナリオ配信の活用事例
ここからは、シナリオ配信の活用事例をご紹介します。
回答率を上げる!アンケート未回答者へのメッセージ送付
友だち追加時などにアンケートや会員登録フォームなどを送付して、ユーザーに回答を促す場合のシナリオ配信の例です。
Linyには回答フォーム機能があり、申し込みフォーム、アンケートフォーム、会員フォームなどを簡単に作ることができます。このフォームへの回答率を高めるために、シナリオ配信を用いて行動喚起を行います。
設定の例
- 配信開始条件:友だち追加
- 配信タイミング:友だち追加直後、1日後、3日後、5日後、7日後
- 分岐:アンケートの未回答者のみに送付
設定のポイントは配信タイミングです。友だち追加から1週間以内に行動を促すことが大切です。それ以降は回答率が低くなる傾向にあるため、なるべく早い段階で登録してもらうように配信を行います。
また、未回答者にはアンケート回答を促すリッチメニューの設定もおすすめです。シナリオ配信とリッチメニューを組み合わせることで、回答率のアップが期待できます。
アンケートなどを通じて顧客の興味関心や属性などを収集したい場合は、この運用を取り入れてみてください。
満足度アップ!来店後のフォローコンテンツで再来店へ誘導
サロン、ジム、ゴルフ場など、リアルな店舗がある場合は、来店後にフォローコンテンツを送信して満足度を高め、次の来店へスムーズに誘導するためのシナリオ配信がおすすめです。
設定の例
- 配信開始条件:来店時(QRコードの読み込みで来店情報を取得)
- 配信タイミング:来店当日、1週間後、1ヶ月後 or 3ヶ月後など(利用頻度による)
- 分岐:来店回数などに応じて配信内容を変える
設定のポイントは、配信タイミングと分岐です。
まずは配信タイミングです。例えば、来店当日に、来店のお礼を送ります。この時、お客様にとって役立つ情報やコンテンツを一緒に送ると、満足度がさらに高まります。その後、1週間ほど経ってから、次回利用できるクーポンなどを配布するのも効果的です。そして、再来店に良いタイミング(1ヶ月後や3ヶ月後など)に、メッセージを送付することで、自然に来店へとつなげることができます。
次に、分岐の設定です。来店回数に応じてコンテンツを変えるのが効果的です。初回の方には再度来店してもらえるように、2回目来店者には引き続き来店してもらえるように、3回目来店者には常連客になってもらえるように、それぞれの段階にいる顧客が望んでいる情報やコンテンツが何かを考えて、送付するようにしましょう。
オープンキャンパスや説明会への参加者へのフォローメッセージでエンゲージメント向上
大学、専門学校、高校などのオープンキャンパスや、会社の採用説明会などの参加者に対して、シナリオ配信を活用するのも効果的です。参加後は意欲が高まっている状態だと考えられるので、有益なコンテンツを配信して、エンゲージメントのさらなる向上に役立てましょう。
設定の例
- 配信開始条件:オープンキャンパス、説明会の参加時(QRコードの読み込みで参加情報を取得)
- 配信タイミング:来場当日、翌日、3日後、1週間後
- 分岐:アンケート回答/未回答
設定ポイントは、分岐です。早い段階でアンケートを実施して、ユーザーの属性(年齢、学年、学校名など)と興味・関心(志望する学部、希望時期、希望職種など)を把握します。これらの情報に基づいてコンテンツを配信分けすることで、各参加者に最適なアプローチが可能になります。
体験価値の創造!テーマパークのおすすめ情報を続々配信
テーマパークや商業施設に来場した方に、経過時間に沿ってコンテンツを配信する使い方です。施設内での楽しみ方を次々に配信することによって、顧客の体験価値の増大に役立てられます。
設定の例
- 配信開始条件:来場時(QRコードの読み込みで来場情報を取得)
- 配信タイミング:来場直後、10分後、30分後、1時間後、2時間後など
- 分岐:来場頻度(1回目、数回、10回以上など)で配信コンテンツを変える
この配信のポイントは、経過時間で指定を利用して、来場当日にメッセージを配信することです。例えば、始めて来場した方には、来場直後に園内マップやショーなどの時間の案内の送付、10分後にはおすすめルートの紹介、30分後には園内で使えるクーポンの配信、1時間後・2時間後には、スタッフおすすめのグッズやアトラクションなどを紹介することで、コンテンツを参考にテーマパークや施設を最大限に楽しんでもらうことができます。
配信内容を来場頻度によって変えることで、初来場者の方にもリピーターの方にも、それぞれに楽しんでもらえるコンテンツをお届けできます。
限定案内を配信して申し込みへの意欲向上
特別なイベントや申し込みの際に活用できる、シナリオ配信の方法をご紹介します。
例えば、オンラインイベント参加者限定で、72時間だけ限定価格で購入できる特設ページをオープンし、申し込み意欲をアップさせることができます。
設定の例
- 配信開始条件:オンラインイベントに最後まで参加した方(QRコードの読み込みで視聴者情報を取得)
- 配信タイミング:QRコードを読み込んだ直後、3日後(締め切り前)
- その他の実行内容:セミナー直後から3日間、限定のリッチメニューを表示して、先行申し込みページに誘導
この設定のポイントは、経過時間で指定を利用して、72時間だけの限定条件で申し込みができるページをリッチメニューで案内する点です。特定の時間が経過したら、リッチメニューを通常のものに切り替えることで、限定ページに容易にアクセスができないようにします。
まとめ
Linyのシナリオ配信機能についてご紹介してきました。シナリオ配信を使いこなすことで、ひとりひとりのユーザーに最適なメッセージを自動配信できるようになります。売り上げアップや業務効率化に大きく影響する機能なので、ぜひ活用してください。
Linyのシナリオ配信にご興味がある場合は、以下からお気軽にご相談ください。貴社の思い描くLINE運用がLinyでどのように実現できるのか、担当者が詳細についてご案内いたします。