LINE公式アカウントから新機能「ステップ配信」が2021年2月24日に提供開始されました。ステップ配信の機能や注意点をお伝えすると共に、設定方法も丁寧に解説します。
ステップ配信とは?
ステップ配信とは、「ユーザーの行動」をきっかけに、あらかじめ用意したメッセージを、決められたタイミングで順番に配信する機能です。
メールを使ったマーケティングの分野では広く用いられており、「ステップメール」と呼ばれています。
例えば、ECサイトなどで何かを購入した時に、1週間後、2週間後に、その店舗からメールが届く、という経験をされた方も少なくないでしょう。この場合、「購入をきっかけ」に順番にステップメールが配信されています。
このように、ユーザーの行動をきっかけに、設定した条件に基づいてコンテンツが配信される機能を「ステップ配信」と呼びます。
LINE公式アカウントのステップ配信とは?
新しく登場したLINE公式アカウントのステップ配信の機能をご説明します。
ステップ配信の機能を用いると、「友だち登録したという行動」をきっかけに、「◯日後にメッセージを配信する」という設定を行うことが出来ます。
LINE公式が公表した、こちらの図を見て下さい。
この例では、友だちが追加されると、あいさつメッセージが送信されます。
その後、ステップ配信を使って、
- ◯日目に商品のお知らせメッセージを配信
- △日目にクーポンを配信
- □日目にアンケートを配信
という設定にしています。
このように、「友だちの追加」をきっかけに、設定していた日にちが経過するとメッセージが順番に送られる、という機能が「LINE公式アカウントのステップ配信」です。
LINEでステップ配信を行うメリット
LINE公式アカウントでステップ配信を行うメリットは、メッセージを「効果的」かつ「効率的」に配信できる点です。
- 友だち追加を行ったタイミングというのは、ユーザーがサービスやブランドに興味を持ったタイミングでもあります。友だちの意欲が高い状態でメッセージをステップ配信することで、購入へのモチベーションをアップさせることが期待できます。
- メールと異なり、LINEのステップ配信では、クーポンや画像コンテンツなどを配信することが可能です。視覚的にも魅力的な情報を配信して、サービスへの興味や関心を高められます。
- ステップ配信を一度だけ登録しておけば、自動でメッセージが配信されるため、運用負荷を増やすことなくメッセージを配信できます。友だちの行動を追いかけたり、1通1通手動でメッセージ配信をする必要はありません。
メリットの詳細については、以下の記事も参考にしてください。
ステップ配信の設定方法は?
どのようにステップ配信を設定すれば良いのかご紹介します。
LINE公式アカウントの管理画面にログインして、アカウントを選んで下さい。
ログインが出来ない方はこちらの記事も参考にして下さい。(LINE公式アカウントにログイン出来ない時の対処法:https://line-sm.com/blog/howtologin/ )
ステップ配信をクリック
サイドバーの「ステップ配信」を選ぶと、ステップ配信画面が表示されます。
「テンプレートを使用」をクリックすると、以下の画面になります。
「フォローアップ」「再来店の促進」「レビュー・チャットの依頼」「サービス・商品の宣伝」など、用途に合わせたテンプレートが用意されています。
また、「新規メッセージを作成」をクリックするとポップアップで設定ガイドが表示されます。
設定ガイドを閉じた後、以下の画面でステップ配信の設定を行うことができます。
基本設定
基本設定では、以下の項目があります。
- 管理用のタイトル
- タイムゾーン
- 有効期間(どの期間に友だちになった人を対象にするのか)
- 配信数の上限
メッセージ設定
次に、メッセージ設定を見ていきましょう。こちらがメインとなる設定項目です。
まずは「友だち追加」と書かれているボックスをクリックします。
右側に設定画面が表示されます。設定する項目は以下です。
- 開始条件の種類:「友だち追加」「オーディエンス」から選択します。
- 追加日:ここで選択した日付以降に「友だち追加」された人が配信対象になります。
- 追加経路:「すべての経路」もしくは「特定の経路」を選択します。
設定ができたら「保存」をクリックします。
(補足)特定の経路を選んだ場合は、以下の選択肢から、対象にしたい経路を選びます。
ステップを追加:メッセージを配信
次に、「ステップを追加」をクリックします。そうすると、
- メッセージを配信
- 条件分岐を追加
の2種類が出てきます。
今回は「メッセージを配信」を選択してみましょう。
左側に、「1日後」と「メッセージ配信」というステップが追加されました。
「メッセージ配信」をクリックすると、右側にメッセージを編集という画面が表示されます。
ここで、配信したいコンテンツを設定していきます。
- メッセージラベル:管理用でメッセージの内容を識別する用途です。必要に応じて設定しましょう。
- 配信時間帯:どの時間帯に配信するかを設定します。もしも配信数が多く、時間帯内に配信が終わらない場合は、翌日の同じ時間帯に配信される仕組みです。
- コンテンツ:配信するメッセージを設定します。
メッセージを設定すると、プレビューで確認も出来ます。
問題なければ「保存」をクリックします。
次に、「1日後」と記載がある部分をクリックしてみます。
右側に「待ち時間を編集」という画面が表示されました。
ここで、「友だち追加」をきっかけに、何日後にステップメッセージを配信するのかを設定します。
今回は7日に設定して「保存」をクリックします。
これで、「友だち追加」を開始条件に、7日経過した後に、メッセージ配信が行われる、というステップ配信の設定ができました。
ステップを追加する
ステップメッセージは複数設定できることも特徴です。
さらに7日後(友だち追加から14日後)に送信するメッセージを設定してみましょう。
先程追加した「メッセージ配信」と「完了」の間の矢印にカーソルを持っていくと「+」マークが現れます。
これをクリックすると、「メッセージを配信」という選択肢が表示されるので、クリックします。
クリックすると、
- 1日後
- メッセージ配信
の2つの項目が現れました。
先程と同様に、メッセージを送るタイミングとメッセージの内容を設定していきます。
これで2通分のステップ配信を設定出来ました。
同じように、設定したい通数分のメッセージを追加していきます。
条件分岐を設定
先程飛ばした項目ですが、開始条件からの矢印をクリックすると「条件分岐を追加」という項目が出ていました。
こちらも見ていきましょう。
「条件分岐を追加」をクリックすると、以下のような画面になります。
- 条件1
- 「+」ボタン
が表示されています。
まずは「条件」から見ていきます。
条件をクリックすると、右側に「条件を編集」画面が表示されます。
条件分岐とは、ある条件で絞って、ステップ配信を分岐させることが出来る仕組みです。
- 条件ラベル:管理用の条件の識別ラベル
- 条件:分岐させる条件
を設定します。
(補足)分岐させる条件は、LINE公式アカウントの絞り込み配信で用いることが出来る「属性」と「オーディエンス」で絞り込むことが出来ます。
◆属性の種類
- 性別
- 年齢
- OS
- エリア
◆オーディエンスの種類
- メッセージクリック
- メッセージインプレッション
- リッチメニュークリック
- リッチメニューインプレッション
- 友だち追加経路
- チャットタグ
- 予約
- ユーザーIDアップロード
- ウェブトラフィック
今回は、「エリア」>「関東」を選択し、関東エリアに住んでいる方を絞り込んで配信する設定にしました。
そうすると、「①条件に合致した人には左の配信」が、「②条件に合致しない人には右配信」、
という風に、条件で分岐してステップ配信が進んでいきます。
②条件に合致しない人の場合にも、「+」でステップ配信を追加したり、
更に条件を追加することが出来ます。
設定内容のまとめ
少し難しく思われた方もいるかもしれませんが、大きく分けて設定項目は3つです。
- 配信の条件(必要に応じて分岐を設定する)
- 配信のタイミング(◯日後)
- 配信の内容(どんなメッセージを送るか)
これを組み合わせて、ステップ配信を作成していきます。
設定ができたら、「利用開始」をクリックすると、ステップ配信が始まります。
ステップ配信の注意点
配信されたメッセージは課金対象
ステップ配信で配信されたメッセージは課金対象のメッセージとしてカウントされます。
メッセージ通数の上限を超過した場合
LINE公式アカウントには、プランに応じたメッセージ数の上限があります。もしも上限を超過した場合は、ステップ配信は「停止」します。
ステップ配信を再開したい場合は、プランを変更するか、メッセージ上限を引き上げ、ステップ配信の「再開」ボタンをクリックします。
友だちがアカウントをブロックした場合
友だちがブロックした場合は、配信は停止となります。
同じ友だちがブロックを解除した場合は、新規の友だち追加とみなされ、ステップ配信が初めから行われます。
途中でステップ配信を削除した場合
配信中のステップメッセージの内容を削除した場合は、その次に設定されているステップに移ります。
ステップ配信の事例3選
ステップ配信の利用事例をご紹介します。
飲食店でステップ配信を活用する例
飲食店では、再来店を促すために、クーポンを効果的に配信するのがおすすめです。
- 友だち追加時に、即時使える「友だち追加特典クーポン」を配信
- 1週間後に、「2回目の来店割引クーポン(期間限定)」を配信
- 1カ月後に、「割引クーポン」を配信
安定したリピート客になってもらえるまでの数回は、クーポンを配信した「来店のきっかけづくり」を行うと良いでしょう。
採用活動でステップ配信を活用する例
採用活動でLINE公式アカウントを運用する場合は、会社の魅力を届けるために、ステップ配信が活躍します。
- 会社説明会当日に友だち登録をしてもらい、会社説明会で利用した資料を送付
- 1日後に、採用ページのリンクと応募フォームを送信
- 1週間後に、先輩社員の働き方コラムと応募フォームを送信
- 2週間後に、募集職種と応募フォームを送信
読んでほしいコンテンツを順番におすすめしていくことで、接触回数が増え、会社に対する興味や関心を育むことが期待できます。
オンラインショップでステップ配信を活用する例
オンラインショップでは、健康食品や化粧品など継続購入の導線としても、ステップ配信を用いることができます。
- 購入直後に友だち追加を促し、購入のお礼と使い方のコラムを配信
- 1週間後に、お客様の口コミを紹介
- 2週間後に、商品コラムを配信
- 3週間後に、継続特典クーポンと商品購入リンクを送信
商品を使用する流れに沿って、ユーザーが知りたい情報を配信し、商品の使い切りそうなタイミングで継続特典クーポンを送付することにより、継続的に商品を購入する後押しを行えます。
ステップ配信をもっと自由に使いたい!
LINE公式アカウントでは「友だちを登録した日」をきっかけにステップ配信を利用することに限定されていますが、
- 友だちがクーポンを利用した時から
- ウェブサイトに30秒以上滞在した時から
- アンケートに回答したことをきっかけに
- イベントに参加した日から
など、様々な友だちの行動をきっかけにステップ配信を利用したい場合があります。
このようなステップ配信は、LINE公式アカウントのみでは行なえませんが、LINE公式アカウントのサポートツール『Liny』を利用すると、自由度の高いステップ配信を利用することが可能です。
以下の記事で、Linyで出来るステップ配信の方法を解説しています。
合わせてご覧ください。