コールセンター業務やお問い合わせ対応では、メール、問い合わせフォーム、電話などが用いられてきましたが、最近はLINE公式アカウントの活用が広がってきています。
その背景には、LINEを通じたコミュニケーションによる「顧客対応の効率化」と「顧客満足度の向上」などのメリットがあります。
この記事では、コールセンター業務でLINE公式アカウントを活用する流れや業務効率化するテクニックを、例を交えて紹介します。
コールセンターでLINE公式アカウントを利用するメリット
まず、コールセンターでLINE公式アカウントを利用するメリットを確認していきましょう。大きく2つに分けられます。
- 業務負荷の軽減
- 顧客満足度の向上
順番にご説明します。
1. 業務負荷の軽減が期待できる
LINE公式アカウントを活用することで、以下の理由から、コールセンター業務の負荷軽減が期待できます。
電話対応と比べてすれ違いが起きにくい
電話の場合、不在で電話がつながらないことや、すれ違いが発生することがあります。一方、LINEであれば、メッセージでのコミュニケーションなので記録が残り、好きなタイミングで確認することができます。すれ違いを減らすことで、双方のコミュニケーションにおけるストレスが軽減され、対応時間の削減にもなります。
テンプレートや自動応答機能を使って返信を効率化できる
LINEのチャットにはテンプレート機能があり、よく利用する文章を登録して使い回すことができます。また、自動応答機能を利用すれば、ボットが自動で回答を送付してくれるため、問い合わせ対応の自動化が行えます。
顧客情報が保存できるので情報の参照が容易になる
LINE公式アカウントのチャット機能には、メモ欄があります。必要な情報を記録しておくことで、返答時の参照やスタッフ間での情報共有がスムーズです。
2. 顧客満足度の向上につながる
LINE公式アカウントを活用することで、顧客満足度の向上につなげることができます。3つの理由をご紹介します。
利用数No.1のSNSで利便性が高い
総務省の「令和2年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、「LINE」は、すべての年代で利用率が最も高いSNSで、10代から40代までの利用率は90%を超えています。
普段から活用しているアプリを使って問い合わせができることは、顧客満足度にも寄与するでしょう。
メッセージの受信にすぐに気づける
LINEの特徴の1つに、プッシュ通知機能があります。メッセージが届くと通知が表示されるので、メッセージに気づきやすく、開封までの速度が早いというメリットがあります。これにより、重要な情報を素早く届けることが可能になります。
画像や資料が添付しやすい
LINEでは、問い合わせの際に写真や動画を簡単に添付することができます。口頭での説明が難しい場合でも、視覚的な情報を送信できるため、より正確で詳細なコミュニケーションができます。特に、製品に関する問い合わせなどのケースに用いると効果的です。
LINE公式アカウントで顧客対応をする基本フロー
LINE公式アカウントで顧客対応をする基本的な流れは以下です。
- LINE公式アカウントの友だち追加を案内する
- ユーザーに問い合わせ内容を入力してもらうよう誘導する
- チャットで問い合わせに答える
順番にポイントを紹介していきます。
1. LINE公式アカウントの「友だち追加」を案内する
お問い合わせ窓口としてLINE公式アカウントを活用していることを、友だちに案内する必要があります。具体的には、以下のような対応を行います。
- Webサイトの目立つところにバナーを設置する
- 特設ページを作成し、LINE公式アカウントを紹介する
- 従来の問い合わせ先の表示場所に、LINE公式アカウントも掲載する
- チラシや配布物にLINE公式アカウントのQRコードを掲載する
LINE公式アカウントを案内する際には、「URLリンク」「QRコード」「友だち追加ボタン」などを利用します。以下のページで、これらの取得方法をご紹介しています。併せてご確認ください。
参考:LINE公式アカウントの友だち追加URLはどこ?貼り付け方法も解説
2. ユーザーに問い合わせ内容の入力を促す
友だち追加後は、ユーザーに問い合わせ内容の入力を促しましょう。
ユーザーはLINEアプリから回答を手入力する必要があるため、以下の点に注意してください。
- 質問項目をあらかじめ整理して回答しやすくする
- ユーザーの負担を減らすために質問項目を絞る
3. チャットで問い合わせに対応する
ユーザーからの質問に、チャットで回答をします。
LINE公式アカウントの場合は、メールと違ってユーザーとの距離が縮まりやすい傾向にあります。そのため、LINEらしい柔らかな表現や絵文字などを活用することで、コミュニケーションが促進される場合があります。
コールセンターとしてどのような文体や表現を用いるのかを検討し、運用ルールを作成することをおすすめします。
LINE公式アカウントで顧客対応を効率化する3つのテクニック
ここからは、コールセンター業務でLINE公式アカウントを効果的に活用する方法をご紹介します。具体的に、以下の3つの場面に分けて、業務効率化のためのテクニックをお伝えします。
- ユーザーに問い合わせを促す場面
- チャットで問い合わせ対応をする場面
- よくある質問に対応する場面
1. ユーザーに問い合わせを促す場面
ユーザーに問い合わせ内容を入力してもらう際には、以下の2つの方法を利用することで、効率化ができます。
あいさつメッセージ内に案内を入れる
LINE公式アカウントの友だち追加時に自動送信される「あいさつメッセージ」を活用しましょう。このメッセージに案内文を入れることで、個別の連絡が不要になります。
あいさつメッセージの特徴として以下があります。
- メッセージ通数としてカウントされない
- 5つの吹き出しまで送付できる(通常は3つの吹き出しが1通としてカウントされる)
複数の吹き出しを利用する際に気をつけたいのは、ユーザーが最初に目にする吹き出しの位置です。ユーザーがトークを開いた時には、最後の吹き出しが表示され、それより前の吹き出しを表示するにはスクロールをする必要があります。そのため重要なコンテンツは、スクロールせずに見える「最後の吹き出し」に記載しましょう。
リッチメニューで案内する
リッチメニューを利用する場合は、問い合わせ関連のメニューを設置するのもおすすめです。ユーザーが好きな時にリッチメニューをタップして、問い合わせの流れを確認できるような設定をします。
この場合は、自動応答と組み合わせると良いでしょう。
- リッチメニューに問い合わせについてのボタンを設置
- ボタンをタップして、テキスト(例:【問い合わせ方法】)を表示
- 自動応答機能と連携し、キーワードに対応した詳細情報を自動送信
Linyなら「質問フォーム」を作成できる!
Linyは、当社が提供するLINEマーケティングツールです。Linyを併用すれば、LINE公式アカウントの機能を拡張でき、より効果的に顧客管理やマーケティングが行えるようになります。
例えば、Linyを利用すると、質問フォームが簡単に作成できます。
質問フォームを作ることで、以下のようなメリットが生まれます。
- ユーザーがフォーム形式で簡単に問い合わせできる
- 必要情報の回答漏れが防止できる
- 回答内容はユーザー別に自動保存される
- 問い合わせの内容はスプレッドシートに連携でき分析が容易になる
コールセンター業務において、ぜひ活用いただきたい機能です。
3. チャットで問い合わせ対応をする場面
チャットで問い合わせ対応を効率化するポイントは主に2つあります。
- 定型文の活用
- 「対応状況」「タグ」「担当」「ノート」の活用
定型文を活用する
チャット機能では、よく使う文章を「定型文」として設定できます。定型文の設定方法は2通りあります。
- チャット画面から、「チャット設定」 > 「定型文」を選択して登録
- 個別のチャット画面の「コンテンツを選択」から登録
定型文を利用する際は、個別のチャット画面の「コンテンツを選択」から利用したい定型文を選択します。チャットに文面が挿入されるので、必要に応じて修正して送付できます。
「対応状況」「タグ」「担当」「ノート」を活用する
チャット機能には、チャットを管理するために、以下の情報を設定することができます。
- 対応状況:「要対応」「対応済み」のラベルをで状況を管理する
- タグ:ユーザーにタグを付与できる。タグでユーザーの絞り込みや、メッセージの一斉配信時の絞り込み条件としても活用できる
- 担当:特定の担当者を割り当てる
- ノート:自由記述でメモを入力できる
2025年3月、チャットタグの作成数や付与数が変更になる予定です。チャットタグを利用する場合はご注意ください。
これらを用いることで、以下のような利点があります。
- 対応漏れを防ぐ
- 対応が必要な顧客を絞り込み表示できる
- 自分の担当顧客を絞り込み表示できる
- チームで情報を共有できる
Linyなら「オペレーター機能」を利用できる!
Linyは、コールセンターやお問い合わせ対応業務で広く活用されており、先述した回答フォームに続き、よく利用されているのがオペレーター機能です。
この機能は、チャットサポートに特化した画面を提供しており、以下の特徴があります。
- 自分の担当するお客様だけを表示する
- お客様が入力したトークやフォームへの回答内容などを閲覧できる
- 担当者の名前や画像を個別に設定できる
- チャット以外の機能へのアクセス権がないので操作ミスを防げる
オペレーター機能については、以下の記事で詳しく紹介しています。
4. よくある質問に対応する場面
最後は、よくある質問に対応する場合の効率化の方法です。2つの方法をご紹介します。
- リッチメニューでよくある質問ページに誘導
- 自動応答を利用
リッチメニューでよくある質問ページに誘導する
Webサイトによくある質問ページがまとまっている場合は、リッチメニューに「よくある質問」ボタンを設置します。ユーザーがそれをタップして該当のWebサイトに遷移できるようにします。
いつでもリッチメニューからアクセスができるので、ユーザーの利便性が高まります。
自動応答を利用する
自動応答機能を活用すれば、LINE上で質問内容を段階的に絞り込み、適切な回答を表示できます。
コールセンター業務における自動応答のおすすめの利用方法は、「リッチメニュー」「自動応答」「カードタイプメッセージ」を組み合わせる方法です。
ユーザーの操作の流れは以下です。
- リッチメニューの「よくあるお問い合わせ」をタップ
- 自動応答が反応してカードタイプメッセージが表示される
- カードタイプメッセージを選択して質問カテゴリーを段階的に絞り込んでいく
- 最終的に知りたい質問への回答が表示される
- 知りたい質問が表示されない場合は、トークを使った問い合わせを実施する
これらの効率化の方法を組み合わせて、自社に適したLINE運用の仕組みを作ってください。
まとめ
LINE公式アカウントは、1:1の迅速なコミュニケーションに適しているため、コールセンター業務との相性が良いツールです。顧客対応の効率化と満足度向上を目指している場合は、LINE公式アカウントの導入は大きなメリットをもたらす可能性があります。
さらに、当社が提供するLinyを活用することで、もう一歩進んだ業務効率化と顧客満足度の向上につながる仕組みを実現できます。
「Linyの導入を検討したい」「お問い合わせ対応でLinyを活用している具体的な事例が知りたい」というご要望がある場合は、どうぞお気軽にお問い合わせください。