LINEのビジネスマネージャーとは、LINE公式アカウントやLINE広告、また企業データなどを収集・統合して、データを横断的に活用するための仕組みです。
2025年6月25日より、LINE公式アカウントを新規で作成する場合はビジネスマネージャーとの紐付けが必須となりました。また、既存のLINE公式アカウントも2026年3月頃を目処にビジネスマネージャーとの接続が必須となる予定です。
LINE公式アカウントを新規作成する際にビジネスマネージャーと紐付けする手順については、以下の記事を参考にしてください。
この記事では主にLINE公式アカウントの運用者向けに、ビジネスマネージャーとは何か、どう活用するのか、どのようにLINE公式アカウントと紐付けを行うのかについて説明していきます(当記事は、2025年7月1日時点の情報を基に作成しています)。
ビジネスマネージャーとは?
少し概念的な説明からしていきます。
ビジネスマネージャーとはデータ活用基盤です。公式ホームページには、以下のような説明があります。
ビジネスマネージャーとは、LINEヤフーやパートナー企業、クライアント企業が持つデータを収集・統合し、データ管理、データ分析、オーディエンスの共有や作成に活用できるデータ活用基盤です。
サービスを横断したプロモーションやキャンペーンを実施することにより、より効果的で最適なコミュニケーションの実現が可能となります。
例えば、LINE公式アカウントとLINE広告のデータを横断して活用したり、自社で保有しているデータをビジネスマネージャー上に連携することで、LINE公式アカウントのセグメント配信に活用することができます。
LINE公式アカウントを含め、配信に活用できるサービスとしては以下があります。
- LINE公式アカウント
- LINE広告
- Talk Head View(LINEトーク上に表示される広告)
- LINE NEWS TOP AD(LINEニュース上に表示される広告)

ビジネスマネージャーのイメージ図
引用:https://data.linebiz.com/
ビジネスマネージャーは構想段階の部分もあるため、機能や仕様は変更になることがあります。
ここまでがやや抽象的な説明です。
ビジネスマネージャーで具体的に何ができるのか?
ここからは具体的にビジネスマネージャーで何ができるのかをご紹介していきます。
大きく2つあります。
- データの蓄積・統合
- 配信への利用
まずビジネスマネージャー上にデータを集め、次にそのデータをLINE公式アカウントのセグメント配信などに活用します。それぞれについて見ていきましょう。
1. データの蓄積・統合
データの蓄積・統合です。ビジネスマネージャー上に、LINE公式アカウントのオーディエンスデータや、自社で所有している電話番号やメールアドレスなどのデータを統合していきます。

データの収集・統合
構想段階の内容も含まれている
引用元:https://data.linebiz.com/solutions/business-manager (画像を加工)
LINE公式アカウントの運用者であれば、以下のようなデータをビジネスマネージャーに紐付けすると活用しやすいでしょう。
- LINE公式アカウント
- LINE広告
- クライアントデータ(メールアドレス、電話番号など)
例えば、複数のLINE公式アカウントを運用している場合、ビジネスマネージャーにそれぞれのアカウントを紐づけておくことで、アカウント間を横断してオーディエンスの共有が可能になります。
オーディエンスについては、こちら(LINE公式アカウントのオーディエンスとは?表示されない場合の対処法 )の記事で説明しています。
2. 配信への利用
次に、統合したデータを活用し、配信を行います。

配信への利用
構想段階の内容も含まれている
引用元:https://data.linebiz.com/solutions/business-manager (画像を加工)
配信に利用するデータとしては「1. LINEのサービス間でのオーディエンス共有」と「2. 自社のクライアントデータの活用」の2種類をイメージすると使いやすいでしょう。それぞれについて、以下のような活用例が考えられます。
- ブランドごとに複数のLINE公式アカウントを運営している場合、アカウント別に作成したオーディエンスを共有してセグメント配信を実施
- ECサイトの電話番号やメールアドレスのデータを基にオーディエンスを作成し、LINE公式アカウントの該当ユーザーにセグメント配信を実施
ビジネスマネージャーの設定の流れ
ここからは、ビジネスマネージャーの設定の流れをご紹介します。
設定は、大きく分けて以下の2つの方法があります。
- ビジネスマネージャーの組織を作って、LINE公式アカウントなどを紐づける
- LINE公式アカウントの作成時に、ビジネスマネージャーの組織を作る/紐づける
1の方法で作成する場合は、作成時に認証のステップを踏むことになります。ビジネスマネージャーを活用してデータの統合や活用を行う場合は1の方法で作成しましょう。ただし、紐付けするLINE公式アカウントは認証済である必要があります。
参考:LINE公式アカウントの審査とは?認証済アカウントのメリット
LINE公式アカウントを作成するためにビジネスマネージャーとの紐付けが必要な方は、認証を行わない2の方法で作成することができます。
2の方法に関しては、【最新版】3分で分かる!LINE公式アカウントの作り方 で紹介しているので、当記事では1の方法を紹介していきます。
設定のステップは以下です。
- 組織の作成
- アカウントとの紐付け
- 認証審査
- リソースの共有
準備として、ビジネスマネージャーのページに行き、管理画面にログインをクリックして、次に表示されたログイン画面からLINE IDでログインします。

ビジネスマネージャーのサイト
引用元:https://data.linebiz.com/solutions/business-manager
ビジネスマネージャー:https://data.linebiz.com/solutions/business-manager
LINE IDでのログインについて不明な場合は、以下のページを参考にしてください。
参考:【初心者向け】LINEビジネスIDとは?作成手順と注意点を解説
では、順番に見ていきましょう。
1. 組織の作成
まずは組織を作成します。組織とは、ビジネスマネージャーのアカウントの単位のようなものです。この組織にLINE公式アカウントなどを紐づけていきます。1企業で複数の組織を作成することができます。
ビジネスマネージャーにログインしたら、「組織を作成」をクリックし、必要事項を入力します。
組織の作成後は審査が行われます。審査に通過するとデータの活用が可能になるため、ビジネス情報の入力も漏れなく行いましょう。

必要事項を入力する
「同意して作成」をクリックすれば、完了です。
必要情報入力画面で設定したメールアドレス宛に、認証審査の確認メールが届くので、メールを確認して認証を完了させましょう。
補足:管理者の追加
LINE公式アカウントのように、ビジネスマネージャーでも管理者を複数登録することができます。
管理者を追加する場合は、ビジネスマネージャーのサイドメニューから「ユーザー」> 「ユーザーを招待」をクリックします(ユーザー追加できるのは、管理者権限があるアカウントのみです)。

ユーザーを招待
ポップアップが表示されるので、適切な権限を設定し、URLを発行します。

招待URLを発行
追加したいユーザーにURLを共有し、招待URLからログイン画面に遷移してビジネスマネージャーにログインすれば、招待が完了です。
なお、ビジネスマネージャーの権限が付与されている場合でも、紐づいているLINE公式アカウントやLINE広告の閲覧や編集はできません。可能なことは、オーディエンスデータやLINE Tagの共有管理となります。
2. アカウントとの紐付け
次はLINE公式アカウントを、ビジネスマネージャーと紐付けします。
準備として、ビジネスマネージャーの組織ID(BM + 11桁の数字)をコピーします。組織IDは、ビジネスマネージャーの管理画面の上部に表示されています。

組織IDをコピーする
次に、LINE公式アカウントの管理画面にログインします。紐付けを行いたいLINE公式アカウントを選択し、右上の「設定」をクリックします。

該当のLINE公式アカウントに入り、右上の設定をクリック
次に、ページ下部の「組織(ビジネスマネージャー)」の「接続する」をクリックします。

「組織(ビジネスマネージャー)」>「接続する」をクリック
ポップアップが表示されるので、先ほどコピーした組織ID(BM + 11桁の数字)を入力して「URLを発行」をクリックします。
URLが発行されるので、そのURLをビジネスマネージャーの管理者に送付します。管理者はURLをクリックして認証を進めます。承認画面で同意をクリックすれば接続が完了です。
補足:接続時の注意
- 接続リクエスト用URLの有効期限は168時間
- ビジネスマネージャー1組織につき、接続できるLINE公式アカウントの上限は200
3. 認証審査
次は認証審査です。以下の条件が満たされれば、自動で審査が行われます。
- ビジネス情報が入力済み
- メール認証済み
- 接続アカウントが1つ以上ある
紐付けするアカウントがLINE公式アカウントの場合は、認証済のアカウントでないと審査が行われません。
認証審査では以下の点が確認されます。
①組織の認証 (組織を所有する法人/個人事業主の認証) 法人の実在とその法人に属する方が所有するビジネスマネージャーであることを確認します。
②アカウント接続の認証 (組織とアカウントの所有者の一致を認証)
引用元:https://data.linebiz.com/business-manager/manual/maniyuarubmshare003
ステータス欄が「認証済み」になると、オーディエンスなどの共有が可能になります。
4. リソースの共有
認証済みになったLINE公式アカウントやLINE広告は、それぞれで設定したオーディエンスやLINETagなどの情報を共有することができます。
Yahoo!広告のディスプレイアカウントを紐づけている場合、LINE公式アカウントやLINE広告のリソースの共有先として選択ができます。

リソースの共有イメージ
引用元:
https://data.linebiz.com/business-manager/manual/bmmaniyuarushare003
共有するリソースは、ビジネスマネージャーの管理画面から選択できます。
サイドメニューの「リソース共有」で、該当のアカウントを選びます。例えば、LINE公式アカウントのリソースを共有する場合は「LINE公式アカウント」を選びます。アカウントを選んだら、共有したいリソースと共有先を設定していきます。
設定方法は以下のLINEヤフー社の解説動画で詳しく説明されているのでご確認ください。
クライアントデータをアップロードする場合
自社で保有しているデータ(電話番号やメールアドレスなど)をアップする場合は、ビジネスマネージャーの管理画面から、「オーディエンス」を選択します。
該当するオーディエンスの種類を選び、アップロードを行います。

自社データからオーディエンスを作成する
まとめ ー LINE公式アカウントの作成時にはビジネスマネージャーを紐付けよう
以上、当記事ではLINE公式アカウントの運用者が知っておきたいビジネスマネージャーの仕組みについてご紹介しました。
これからLINE公式アカウントを新規で作成する方は、ビジネスマネージャーとの紐付けが必須です。今後は既存のLINE公式アカウントとの紐付けも必要になるため、ビジネスマネージャーの仕組みを理解しておきましょう!
【データ連携をしてLINE配信を効果的にしたい方へ】
当記事ではビジネスマネージャーの活用方法をご紹介しましたが、当社のLinyを活用すれば、さらに効果的なLINE運用が可能になります。
- 複数のLINE公式アカウントを1つに統合
- 自社のデータとLINE公式アカウントのデータを連携
- ユーザー情報を管理画面上で確認
1つでもご興味がある方は、以下からお問い合わせください。ご希望されている運用や、現状の課題を担当者が伺い、Linyがお役に立てるのかを丁寧にご説明いたします。