- 本人確認のためにわざわざ窓口に来てもらう必要がある
- 本人確認書類のやり取りや審査に時間がかかる
- 本人確認の手続きが面倒で、途中離脱されてしまう
自治体や企業が本人確認を行う際、こうした課題を抱えているケースが少なくありません。
こうした課題の解決に役立つのが「LINE公的個人認証サービス(JPKI)」です。
LINEとマイナンバーカードを使い、オンライン上で本人確認を完結できる仕組みで、窓口対応の負担軽減や、申請時の離脱防止といった効果が期待できます。
本記事では、LINE公的個人認証サービスを導入するメリットや、本人確認以外の対応まで自動化する方法、実際の導入事例をわかりやすく解説します。
LINEの公的個人認証サービス(JPKI)とは
LINE公的個人認証サービス(JPKI)とは、LINEとマイナンバーカードを使い、オンライン上で本人確認を完結できるサービスです。
マイナンバーカードに搭載された「署名用電子証明書」を用いて本人確認を行う、国が定めた公的な仕組みで、全国の自治体をはじめ、企業でも導入が進んでいます。

導入の一例(引用:LINEヤフー for business)
専用アプリをダウンロードする必要がなく、企業や自治体のLINE公式アカウントから、本人確認が完結できる手軽さが特長です。
利用イメージ
ユーザーが実際に利用する際の流れは、以下の4ステップです。
- 企業・自治体のLINE公式アカウントから申請
- マイナンバーカードの署名用電子証明書パスワードを入力
- スマートフォンをマイナンバーカードにかざしてスキャン
- 本人確認終了
事前にマイナンバーカードの作成と、署名用電子証明書パスワードの設定が済んでいれば、この4ステップだけで本人確認が完了します。
窓口へ出向いたり、書類を郵送したりする必要はありません。
主な利用シーン
LINE公的個人認証サービスは、行政手続きから企業のオンラインサービスまで、幅広い場面で利用可能です。
自治体では、証明書発行や給付金申請、施設予約などの手続きに導入され、来庁の手間や窓口の混雑を減らす目的で活用されています。
企業では、金融機関の口座開設や、カーシェアなどシェアリングサービスの利用登録といった、本人確認が重視される場面を中心に導入が進んでいます。
なお、LINE公的個人認証サービスは、必要書類の提出や審査、動作検証などを経て、申込みから約2カ月で利用を開始できます。
詳しくはこちらをご確認ください。
LINEで公的個人認証サービスを導入するメリット
LINE公的個人認証サービスの活用は、自治体・企業とユーザーの双方にメリットがあります。
自治体・企業側のメリット
自治体・企業側では、特に以下の3点が挙げられます。
- 初期費用が無料
- 業務効率化を実現できる
- 離脱率を低減できる
LINE公的個人認証サービスは、初期費用をかけずに導入でき、利用用途に応じた料金プランも用意されているため、運用に合わせた選択が可能です。
加えて、LINE上で本人確認まで行えるため、窓口の混雑緩和や業務負担の軽減が期待できるほか、複雑な手続きによる申請途中の離脱も防ぎやすくなります。
ユーザー側のメリット
ユーザー側にとっては、以下の点が魅力です。
- LINEとマイナンバーカードだけで申請完了
- 24時間365日いつでも申請可能
- 本人確認結果がすぐに反映される
専用アプリの追加インストールが不要で、普段使っているLINEとマイナンバーカードだけで申請から本人確認まで行えます。
加えて、24時間365日いつでもオンラインで申請できるうえ、待ち時間なく本人確認を完了できる点も魅力です。
LINE公的個人認証サービス導入時に知っておきたいこと
LINE公的個人認証サービスを導入することで、本人確認の手続きをLINE上で完結できます。
ただし、LINE公式アカウントの標準機能で、個々のユーザーの属性や興味関心を把握するのは困難です。※認証済みアカウントは、有料オプション機能により顧客情報の取得が可能
加えて、ユーザーごとに関心のある情報や申請内容に応じて案内を出し分けるには、手作業での対応が必要になります。
本人確認は効率化できても、それ以外の対応が手動になりやすい点には注意が必要です。
本人確認以外の対応までLINEで自動化するなら「Liny」
本人確認だけでなく、それ以外の対応も効率化するなら、LINE公式アカウントの機能を拡張する「Liny」の活用が効果的です。
LINE上で、ユーザー情報の取得や、アンケートの回答内容やボタンのタップに応じた案内の出し分けといった仕組みが自動化できます。
アンケートで属性・興味関心を取得
Linyの回答フォーム機能では、アンケートやお問い合わせフォームなど、各種フォームが作れます。
作成したフォームは、友だち追加直後に配信できるあいさつメッセージと組み合わせて、自動で案内できます。
さらに、回答情報はユーザーごとのページへ自動で蓄積できるだけでなく、設定に応じて年代や居住地域、興味のある情報といったタグを付けることも可能です。
手動での転記や管理の負担なく、ユーザー情報を一元管理できるのが魅力といえます。
回答内容に応じて自動でメッセージを送信
Linyのセグメント配信を活用すると、アンケートで取得した情報をもとに、ユーザーに合ったメッセージを自動で送れます。
滋賀県庁の事例では、「年代」と「住んでいる地域」に応じてユーザーを絞り込み、必要な情報だけを配信しています。
企業も同様に、契約商品ごとの案内や、利用サービスに応じたキャンペーン情報などを届けることが可能です。
また、こうした属性・興味関心に応じた出し分けは、公的個人認証サービスにも活かせます。
たとえば、アンケートで「暮らし・手続き」に関心があると回答した人へ、申請できる証明書の種類や申請方法を配信する、といった使い方ができます。
ユーザーの行動に合わせて案内を自動で出し分け
Linyのリッチメニュー機能では、ユーザーの属性や行動に応じて、表示するリッチメニューを自動で切り替えられます。
アンケートに回答後に回答者向けのリッチメニューを表示したり、特定のボタンをタップした後に別のメニューへ切り替えたりといった設定が可能です。
また、特定のボタンをタップした人へ、メッセージを自動で出し分けることもできます。
たとえば、「住民票」「税関係」といった複数の申請メニューを用意し、選んだ内容に応じて必要な本人確認画面を案内する、といった使い方が可能です。
ユーザーはボタンをタップするだけで、目的の申請に進めるため、担当者が都度チャットで対応する手間がかからず、双方にとってスムーズなやり取りが実現します。
Linyを活用したLINE公的個人認証サービスの導入事例
ここでは、Linyを活用したLINE公的個人認証サービスの導入事例を2つご紹介します。
来庁が難しい住民の申請をLINEで完結(北海道美瑛町)
北海道美瑛町では、以前よりLinyを導入して「持ち運べる役所」としてLINE公式アカウントを運用し、子育てやゴミ出し、防災などの情報発信を行っていました。
一方で、開庁時間内の来庁が難しい住民や、積雪などの天候・身体的な理由で役場に足を運びにくい住民の利便性向上が課題となっていました。
こうした課題を受けて、LINE公的個人認証サービス(JPKI)を活用した申請手続きを開始。
リッチメニューから、住民票・所得証明書の申請と本人確認を行える仕組みを実現しました。
導入により、窓口での申請書記入や、確認・発行にかかる待ち時間を軽減し、混雑緩和にもつながっています。
各種行政手続きをLINE上で一元化(大分県九重町)
大分県九重町では、LINE公式アカウントのリニューアルにあわせてLinyを導入し、LINE公的個人認証サービス(JPKI)を活用した公的書類のオンライン申請窓口を整備しました。
住民票の写しや所得証明書といった公的書類の交付申請を、役場への来庁なしで受け付けられる体制を実現しています。
このほか、これまで電話のみで受け付けていた農機具の貸し出し予約もオンライン化するなど、行政サービスのデジタル化を幅広く進めています。
LINE公的個人認証サービスについてよくある質問
最後に、LINE公的個人認証サービスに関してよくある質問と回答をまとめます。
ユーザーはLINEアカウントの登録は必須ですか?
LINEアカウントの登録は必須です。
また、ご利用にはスマートフォン版LINEアプリのバージョン14.18以上が必要です。
ユーザーの本人確認情報はどのように取り扱われますか?
本人確認情報は、サービスを利用する自治体・企業へのデータ連携及びサービス提供のために、LINEヤフーが取得し、一時的に保管されます。
また同時に、プラットフォーム事業者である野村総合研究所(NRI)※にも連携・保管されます。※LINE公的個人認証サービスは、NRIが提供する、主務大臣認定の公的個人認証サービス「e-NINSHO」を活用
マイナンバー(個人番号)の取得も可能ですか?
LINE公的個人認証サービスでは、マイナンバー(個人番号)自体を取得する機能は提供していません。
現在LINEで他のサービスを利用していますが、別途、LINE公的個人認証サービスの申込みが必要になりますか?
ご利用いただいているLINEサービスとは別に、LINE公的個人認証サービスのお申込みが必要となります。
まとめ
LINE公的個人認証サービス(JPKI)は、LINEとマイナンバーカードがあれば、専用アプリなしで本人確認を完結できます。
窓口対応の負担軽減や、申請時の離脱防止につながる点が大きなメリットです。
ただし、LINE公的個人認証サービスが担うのは、「本人確認をオンライン上で完結する」部分です。
ユーザーの属性や申請内容に応じた案内は、LINE公式アカウントの標準機能では手動対応になります。
本人確認の効率化にとどまらず、その前後の案内や情報管理まで効率化したい場合は、Linyの活用も選択肢のひとつです。








