2025年3月、LINE公式アカウントに「チャットProオプション」が登場する予定です。これにより、無料の範囲で使えるチャット関連機能(チャット履歴、タグ、ノート)に変更が加わります。場合によっては運用を変えるか、有料プランの利用を検討する必要があります。
この記事では、
- チャットProオプションとは何か
- どのような変更があるのか
- チャットProオプションに入るべきか
- 変更までにどのような準備をする必要があるのか
を解説していきます。この記事を読めば、チャットProオプションを利用すべきかの判断材料が揃い、チャットProオプションのリリースまでに取るべき対応がわかります。LINE公式アカウントのチャット機能を利用している場合は、ぜひ最後までご確認ください。
(当記事は、2024年12月2日時点で公開されている情報に基づきます。リリース時に変更になる場合もありますのでご注意ください。)
チャットProオプションとは?
チャットProオプションは、チャット機能に新登場する月額3,000円(税別)の有料オプションです。このチャットProオプションに加入することで「データの蓄積」「顧客情報の管理」「運用の効率化」が強化されます。
では具体的に、どのような機能が使えるようになるのでしょうか?
その前に、チャット機能全体として重要な変更点があるので、その説明をします。
今までのチャット機能はなくなる!?
実は、このオプションの登場により、現在利用できている「チャット関連機能(チャット履歴、タグ、ノート)」が大幅に変更になります。今までの仕様は廃止され、新たに「無料で利用できる機能」と「チャットProオプションで利用できる機能」の2つのパターンに分かれます。
具体的な変更点を以下にまとめました。変更点を太字にしています。
【現在】 | 【2025年3月以降】
無料 |
【2025年3月以降】
チャットProオプション |
|
月額費用 | 無料 | 無料 | 3,000円(税別) |
チャット履歴 | 保存:1年間(例外あり)
ダウンロード:可能 |
保存:6ヶ月
ダウンロード:不可 |
保存:5年間
ダウンロード:可能 |
チャットタグ | 作成:全200個
付与:1人(1チャットルーム)につき10個 |
作成:全5個
付与:1人(1チャットルーム)につき1個 |
作成:全300個
付与:1人(1チャットルーム)につき30個 |
ノート | 1人(1チャットルーム)につき10,000個 | 1人(1チャットルーム)につき1個 | 1人(1チャットルーム)につき1,000個 |
新機能 | なし | なし | 利用可能(順次提供予定) |
参照元:【重要】LINE公式アカウント チャットProオプションのリリースについて
このように、現在のチャット関連機能の仕様は利用できなり、「無料版」と「チャットProオプション」に分かれます。
表を見ていただくとわかるように、そのまま無料で利用する場合、機能の利用量が制限されるようになります。特に、チャット履歴とチャットタグの変更は運用に大きく関わってくる場合があります。チャット履歴はダウンロードができなくなり、チャットタグは5つまでしか作れず、1人に対して付与できる個数は1つです。
チャットを利用している場合、チャットタグで顧客管理をしているケースが多いかと思います。無料版ではタグが各ユーザーに1つしか付与できないため、今まで通りの運用をすることが難しくなることが予想されます。
また、チャットタグは絞り込み配信(セグメント配信)で利用する機能です。付与できるチャットタグが少なくなった場合は、絞り込み配信にも影響するのでご注意ください。
チャットProオプションに入るべきか?
次に、チャットProオプションに入るべきかを検討しましょう。選択肢としては以下があります。
【3つの選択肢】
- 無料版で利用する
- チャットProオプションに入る
- 顧客管理がより良く行える拡張ツールを試してみる
順番に、各選択肢に向いているケースを紹介していきます
1. 無料版で利用する
チャット機能をそのまま無料で利用する場合です。この選択肢に向いているケースは以下が考えられます。
- チャット機能を利用していない
- チャット履歴、タグ、ノートなどを利用していない
- セグメント配信にチャットタグを利用していない
- チャット履歴、チャットタグ、ノートなど、変更後に使える範囲で運用に問題がない
簡単に言うと、チャット履歴やタグ、ノートなどをあまり活用していないケースです。チャット機能を活用して顧客管理を行なっていない場合は、変更があっても影響がないため、そのまま無料版で利用していると良いでしょう。
必要になった時に、チャットProオプションに入る検討をしてみてください。
また、すでに顧客管理を行うための拡張ツールを導入していて、LINE公式アカウントのチャット機能を利用していない場合は、無料版で影響はないでしょう。影響がないか気になる場合は、利用している拡張ツールの提供会社に確認してみてください。
2. チャットProオプションに入る
有料のチャットProオプションに入る場合です。この選択肢に向いているケースは以下が考えられます。
- チャット履歴、タグ、ノートなどを活用しており、無料版だと運用が困難になる
- セグメント配信にチャットタグを利用している
- 月額3,000円を支払うメリットがある
まとめると、チャット履歴やタグ、ノートなどを活用しているケースです。チャット履歴を半年以上確認したりダウンロードしたりしている場合や、チャットタグを複数付与している、合計6以上のタグを作成している場合は、チャットProオプションに入ることをおすすめします。
特に、チャットタグを利用してセグメント配信をしている場合は、無料版だと新規ユーザーへのタグ付与が1つのみとなってしまいます。
ノート機能はチャットProオプションに入っても、各チャットルームで作成できる数が、10,000から1,000に減りますのでご注意ください(そもそも作成できるノートの数が膨大でしたね)。
ただし、月額3.000円のチャットProオプションに入る選択をする場合は、次に紹介する「拡張ツール」も併せて検討されることをおすすめします。
3. 顧客管理がより良く行える拡張ツールを試してみる
最後の選択肢は、顧客管理がより良く行える拡張ツールを活用する方法です。拡張ツールにはいろいろな種類がありますが、今回の変更点をカバーしたい場合は、顧客管理がより良く行えるツールを検討されることをおすすめします。
例えば、当社が提供する「Liny(リニー)」は、顧客管理に適したLINE拡張ツールです。
Linyは、LINE公式アカウントのサポートツールです。LINE公式アカウントとLinyを併用することで、LINE公式アカウントだけではできない「顧客管理」「セグメント配信」「予約管理」などが実現します。
Linyを使えば、以下のような機能を用いて顧客管理を行えます。
- チャットタグは無制限に作成/付与できる
- ノートのような顧客情報の保存も制限なく可能
- 顧客情報は必要なだけCSVでエクスポートできる
- 他のシステムの情報をCSVでインポートも可能
- タグなどの情報に基づき、ひとりひとりに適したセグメント配信を実現
さらに、Linyであれば、チャット関連機能だけではなく、以下のような顧客管理・CRM、マーケティングに必要な機能も利用できます。
- 選択肢付きメッセージを送付して、ユーザーの選択を自動保存
- アンケートを送付してユーザーと回答を紐づける
- アンケート結果をスプレッドシートに蓄積
- 予約機能でLINE内で予約を完結
- タブ式リッチメニューの設定
このような機能に興味がある場合は、お気軽にお問い合わせください。実際の管理画面をご覧いただくことも可能です。
まとめると、チャットProオプションのリリースまでに、拡張ツールを検討してどのようなことができるのかを確認した上で、
- LINE公式アカウントのチャット機能の無料版を使うのか
- チャットProオプションを購入するのか
- 拡張ツール(Linyなど)を利用するのか
を選択いただくと、スムーズな移行が可能です。是非この機会を活かして、より成果につながる運用ができるようなLINE施策を実現しましょう。
チャットProオプションのリリースまでに準備すべきこと
最後に、ここまでの内容を踏まえて、チャットProオプションのリリースまでにどのような準備が必要になるか、3つのステップでご紹介します。
【リリースまでの準備3ステップ】
- 現在の運用状況の把握と整理
- チャットProオプションもしくは、拡張ツールの検討
- 方針決定
1. 運用の把握と整理
まずは、現在の運用を把握しましょう。主に以下の点を確認されるとよいでしょう。
- チャット履歴はどれぐらいの期間遡って確認するか
- チャット履歴のダウンロードをおこなっているか
- チャットタグは利用しているか
- 利用している場合、いくつ利用しているか
- そのタグでセグメント配信をしているか
- ノートはいくつ利用しているか
ポイントは、「チャット履歴」「チャットタグ」「ノート」の活用状況です。
もし、不要なタグがある場合や、タグの数を減らして運用ができる場合は、精査しておきましょう。検討がスムーズになります。
【補足】無料版を使い続ける場合
無料版で使い続ける場合は、リリースまでに必要なタグの作成や、タグの付与をしておけば、既存ユーザーの管理に役立ちます。必要に応じて整理を行いましょう。
2. チャットProオプションもしくは、拡張ツールの検討
現在の運用が確認できたら、「無料版」「チャットProオプション」「その他の拡張ツール」の選択肢を検討します。
無料版で問題がない場合は、そのまま何もする必要はありません。
ですが、無料版を用いない場合は、「チャットProオプション」を利用するか、「LINEの拡張ツール」を利用するかという選択肢があります。
先ほども紹介しましたが、拡張ツールにはさまざまな種類があるので、どのようなツールがあるのか情報収集し、自社の運用に最適なツールを選定しましょう。
拡張ツールの選定方法については、「LINEの拡張ツールとは?比較方法を解説」の記事で詳しく紹介しています。
顧客管理・マーケティングを総合的に行えるLINEツールなら?
先ほどご紹介しましたが、当社の「Liny」はLINEで顧客管理やマーケティングが実現できる拡張ツールです。
LINE公式アカウントを活用できる場合であれば、業界・業種、用途問わず、さまざまなシーンでご活用いただいています。ぜひこの機会に、Linyでどのようなことができるのかを、ご確認ください。
3 .方針決定
拡張ツールを検討したら、チャットProオプションを利用するのか、それとも拡張ツールを利用するのか、方針を決定します。
拡張ツールを利用する場合は、ツール側の設定や構築が必要になります。できるだけ、余裕を持って導入計画を立てましょう。
変更3ヶ月前の12月には拡張ツールを比較検討し、1-2ヶ月前には利用するツールを決定して設定を進めれば、チャットProオプションのリリースに合わせてスムーズに移行ができるでしょう。
チャットProオプションの告知が行われた12月から、2025年3月のリリースまではそれほど時間がありません。ぜひ早めに準備をおこなってください!
まとめ
チャットProオプションのリリースに伴い、今までのチャット関連機能である、「チャット履歴」「タグ」「ノート」などの機能が変更になります。
これらの機能を活用して、1:1のコミュニケーションを活発に利用していたアカウントや、絞り込み配信に取り組まれていたアカウントほど、受ける影響は大きくなります。
事前に準備を行い、スムーズに移行を迎えましょう。
また、この変更を単なる値上げとして捉えるだけではなく、よりよいLINE運用を実施する機会として活かし、貴社のLINEマーケティングや顧客管理を今よりも良いものにしていただければと思います。
当社はそのお手伝いをいたします。どうぞお気軽にご相談ください。