ふるさと納税で寄付を集めるには、返礼品や地域の魅力を多くの人に知ってもらう工夫が欠かせません。そこで、自治体に注目されているのが、日常的に使われているLINEです。
ふるさと納税でLINEを活用する方法には、専用アカウントを設ける形と、自治体全体のLINE公式アカウントから情報を届ける形があります。
本記事ではアカウントの形態を問わず、ふるさと納税にLINEを活用するメリットや具体的な使い方、成果につなげるポイントを実際の事例とあわせて解説します。
ふるさと納税にLINEを活用する3つのメリット
ふるさと納税にLINEを活用する3つのメリットについて解説します。
自治体側から積極的に情報を届けられる
ふるさと納税の情報発信では、ポータルサイトや自治体のWebサイトを活用する方法があります。ただし、こうした媒体は、寄付を考えている人が自ら訪れなければ情報を見てもらえません。
一方、LINEなら自治体側からメッセージを送れます。友だち登録をしてもらえれば、新しい返礼品の追加や受付開始のお知らせなどを、スマートフォンに直接届けることが可能です。
普段から使われているLINEを通じて情報を届けられるため、寄付を検討している人との接点も持ちやすくなります。情報を見つけてもらうのを待つだけでなく、自治体側から直接情報を届けられる点は大きなメリットです。
継続的な情報発信でリピーター獲得につなげられる
ふるさと納税では、一度寄付をしてもらってもその後の接点がなく、関係が途切れてしまうケースがあります。返礼品を選んで寄付したものの、翌年は別の自治体を選ぶ人もいるでしょう。
LINEで友だち登録をしてもらえれば、寄付後も継続して情報を届けられます。新しい返礼品や地域の取り組みなどを定期的に発信することで、自治体を思い出してもらうきっかけにもなります。
その後も自治体への関心を持ち続けてもらえれば、翌年以降に再び寄付先として検討してもらう機会が増え、リピーターの獲得にもつながります。
問い合わせ対応の負担を軽減できる
ふるさと納税の担当者には、寄付の手続きや返礼品が届く時期、ワンストップ特例制度の申請方法など、さまざまな問い合わせが寄せられます。
特に寄付が集中する年末は、電話やメールの対応に多くの時間を取られることも少なくありません。
LINEでは、よくある質問への回答や手続きの案内をあらかじめ用意し、メッセージやリッチメニューにまとめておけます。寄付者自身で疑問を解決できれば、同じような質問への対応を減らせます。
その分、担当者は返礼品の企画や情報発信など、他の業務に時間を使いやすくなるでしょう。
ふるさと納税におけるLINEの活用方法
ふるさと納税におけるLINEの代表的な活用方法を4つご紹介します。
返礼品の情報を配信する
返礼品は、寄付先を選ぶ際の大きな判断材料です。
LINEでは、新しく追加された返礼品や数量限定の品、受付終了が近い品などを、写真とともに紹介できます。画像を使えば、文章だけではわかりにくい返礼品の特徴もイメージしてもらいやすくなるでしょう。
また、生産者の思いやこだわり、おすすめの食べ方なども紹介すると、返礼品を通じて地域や生産者への関心を深めてもらえます。
配信には寄付ページへのリンクを添えておくと、興味を持った人がそのまま寄付へ進めてスムーズです。
寄付金の使い道や活用実績を伝える
ふるさと納税では、返礼品だけでなく、寄付金がどのように使われるかも注目されるポイントです。
トラストバンクがふるさと納税経験者1,000人を対象に行った調査によると、寄付する際に使い道を意識している人は68.0%、寄付金が自治体でどのように使われたか知りたい人は68.4%にのぼります。

68.0%が寄付金の使い道を意識
出典:株式会社トラストバンク「ふるさと納税に関するトレンド調査2023」

68.4%が寄付金の使い道を知りたい
出典:株式会社トラストバンク「ふるさと納税に関するトレンド調査2023」
LINEでは、寄付金の使い道に加えて、実際に行った取り組みやその成果を写真や動画で紹介できます。
たとえば「皆さまからの寄付で、〇〇小学校に新しい遊具を設置しました」と写真付きで報告したり、寄付金を活用した取り組みの様子を動画で届けたりする方法があります。
寄付金が地域でどのように役立っているのかを具体的に伝えることで、寄付者に自治体の取り組みをより身近に感じてもらえるでしょう。
観光・イベント情報を配信して地域をPRする
ふるさと納税をきっかけに、返礼品だけでなく、その地域に興味を持つ人もいます。
LINEでは、観光スポットや季節の風景、祭りやイベントの開催情報などを発信し、地域の魅力を伝えられます。
こうした情報を届けることで、返礼品だけでなく、地域そのものにも興味を持ってもらいやすくなるでしょう。
宿泊券や体験型の返礼品がある場合は、観光情報とあわせて紹介することで、地域を訪れてもらうきっかけにもなります。
返礼品や季節に合わせたタイミングで寄付を案内する
ふるさと納税は、その年の寄附金控除を受けるには12月31日までに寄付を行う必要があるため、年末に寄付が集中する傾向があります。
LINEなら、寄付が増える年末はもちろん、返礼品の旬や受付開始に合わせて情報を届けることも可能です。
たとえば、年末にその年の寄付の期限を案内したり、旬の果物や海産物などの受付開始を知らせたりできます。
寄付を検討しやすいタイミングに情報を届けることで、返礼品を見てもらう機会が増え、寄付先の候補として検討してもらいやすくなるでしょう。
ふるさと納税でLINEを活用する4つのポイント
ふるさと納税でLINEを活用する際に押さえておきたい4つのポイントをご紹介します。
友だち登録につながる導線を複数用意する
LINEで継続的に情報を届けるには、まず友だち登録をしてもらう必要があります。自治体のWebサイトやふるさと納税の特設ページなどに、友だち追加のボタンやQRコードを設置しておきましょう。
寄付時や寄付後の接点も、LINEを知ってもらう機会として活用できます。たとえば、寄付完了後のお礼メールに友だち追加のURLを載せたり、返礼品や寄付後に送付する書類などに案内を同封したりする方法があります。
登録を呼びかける際は「旬の返礼品の受付開始をいち早くお知らせします」など、LINEでどのような情報を受け取れるのかを具体的に示すのがポイントです。
友だち登録するメリットが伝われば、登録にもつながりやすくなるでしょう。
地域の魅力を伝えてファンづくりにつなげる
LINEでは、返礼品や寄付の案内だけでなく地域の魅力が伝わる情報も発信するのがおすすめです。
日々の暮らしやそこで暮らす人の姿を届けることで、返礼品だけではわからない、その土地ならではの良さを知ってもらえます。
たとえば、地域で活動する人の紹介や職員が見つけた町の風景、地域行事の準備の様子などを取り上げるのもよいでしょう。
こうした発信を続ければ、地域への親しみや関心が深まり「この地域を応援したい」という気持ちを育むことにもつながります。
リッチメニューを活用する
リッチメニューとは、LINEのトーク画面下部に表示されるメニューです。必要なページへのリンクをまとめておけば、友だちは届いたメッセージを探さなくても、知りたい情報を確認できます。

知内町LINE公式アカウントのリッチメニュー
出典:北海道知内町公式サイト
自治体全体のLINE公式アカウントでは、上記のようにリッチメニューに「ふるさと納税」の項目を設け、関連するページへ案内する方法があります。
ふるさと納税専用アカウントの場合は、返礼品の一覧や寄付ページ、観光情報、よくある質問など、ふるさと納税に関連する項目をまとめておくとよいでしょう。
配信後の反応を確認して改善につなげる
LINEは配信して終わりではなく、友だちの反応を確認しながら内容を見直していくことも大切です。
LINE公式アカウントの管理画面では、メッセージの開封数やリンクのクリック数、友だち追加数、ブロック数などを確認できます。
たとえば、返礼品の紹介や観光情報など、配信内容ごとのクリック数を比べれば、どのような情報に反応が集まっているかを確認できます。配信する曜日や時間帯を変え、反応の違いを見るのも一つの方法です。
こうした結果をもとに、配信する内容やタイミングを見直していけば、友だちの興味・関心に合った情報を届けやすくなるでしょう。
【自治体事例】ふるさと納税におけるLINEの活用事例
ふるさと納税にLINEを活用している自治体の事例を3つご紹介します。
鹿沼市|旬の返礼品や先行予約などの情報を配信
栃木県鹿沼市は、2026年6月に県内初となるふるさと納税専用のLINE公式アカウントを開設しました。
LINEでは、返礼品の最新情報や限定品のお知らせ、旬の返礼品の先行予約、期間限定キャンペーンなどを随時配信しています。LINE限定の情報を用意し、友だち登録するメリットを打ち出している点も特徴です。
LINEを通じて継続的に接点を持ち、鹿沼市のファンやリピーターを増やす取り組みにつなげています。
津山市|返礼品とあわせて地域の魅力を発信
岡山県津山市は、2024年10月にふるさと納税専用のLINE公式アカウントを開設しました。返礼品の情報だけでなく、特産品や観光情報など、津山市の魅力もあわせて発信しています。
LINEでは、季節に合わせた旬の食材や返礼品の特集、おすすめの返礼品、価格帯別の返礼品などを紹介。さらに、観光名所の情報も届けており、返礼品を入口に津山市そのものを知ってもらえる内容になっています。

津山市のふるさと納税専用のLINE公式アカウント
出典:株式会社日本旅行「岡山県津山市の観光・歴史・食の魅力をふるさと納税の返礼品情報と一緒にお知らせする『津山市ふるさと納税LINE公式アカウント』を開設」
こうした発信を通じて、津山市の認知を広げるとともに、継続的なコミュニケーションによる新たなファンづくりにつなげています。
橋本市|自治体公式LINEからふるさと納税情報を配信
和歌山県橋本市は、ふるさと納税専用のアカウントではなく、市の公式LINEからふるさと納税の情報を配信しています。
市政や子育て、防災など幅広い情報を扱っており、受信設定によって必要な情報を選んで受け取れる仕組みです。

必要な情報を選べる
出典:橋本市公式チャンネル「橋本市公式LINEアカウント受信設定のご案内」
受信設定には「ふるさと納税情報(市外向け)」が用意されており、選択した人には返礼品の紹介などが届きます。
このように、自治体全体のLINE公式アカウントでも、受け取る情報を選べる仕組みを取り入れることで、ふるさと納税に関心のある人へ情報を届けやすくなります。
ふるさと納税でLINEをより効果的に活用するならLiny
LINE公式アカウントの機能を拡張できる「Liny」を活用すれば、友だちの情報管理や配信の出し分け、自動化、データ分析などが可能になります。
※Govtech Partner制度とは、行政機関のLINE公式アカウント活用を技術面から支援した実績を持つ企業を、LINEヤフー株式会社が認定する制度です。
ここでは、ふるさと納税で活用できる主な機能を紹介します。
友だちの情報に合わせて配信やリッチメニューを出し分けられる
Linyでは、「タグ」や「友だち情報欄」を活用し、友だち一人ひとりの情報を管理できます。
年代や居住地などの基本情報に加え、アンケートの回答やLINE上での行動などを記録することも可能です。
蓄積した情報をもとに、メッセージを送る相手を絞ったり、表示するリッチメニューを切り替えたりできます。
たとえば、果物に興味がある人には旬の果物、旅行に関心がある人には宿泊券や体験型の返礼品を案内するといった使い分けが可能です。
リッチメニューも、友だちの情報に合わせて表示内容を変えられます。実際に、この仕組みを活用している自治体の一つが、鹿児島県南種子町です。
南種子町では、ふるさと納税の返礼品として、ロケット打ち上げを見学できる優先席を用意しています。
Linyを活用して寄付者向けのリッチメニューに切り替え、本人確認後の対象者には入場整理券を表示。当日はスマートフォンの画面を提示して入場できます。

デジタル入場整理券の取得の流れ
南種子町の事例
情報発信や案内を自動化できる
Linyでは、あらかじめ設定した内容やタイミングに合わせて、メッセージを自動で配信できます。
たとえば、友だち登録の直後にあいさつと返礼品の一覧を届け、数日後に寄付金の使い道や観光情報を案内するといった流れを設定できます。登録した時期にかかわらず、一人ひとりに同じ順番で情報を届けられる点もメリットです。
また、よくある質問にキーワードで自動応答したり、先行予約の受付開始日などに合わせて自動でリマインドを送ったりすることも可能です。
配信のたびに手作業で準備する手間が減り、担当者の負担を抑えながら継続して情報を発信できます。
南種子町の事例では、ロケット打ち上げ見学当日の送迎バスについて、希望する時間帯をLINE上のアンケートで確認。回答内容に合わせて送迎時間を自動でリマインドできるため、一人ひとりに送迎時間を案内する手間も減らせます。
データを分析して改善につなげられる
Linyでは、どこから友だち登録されたのかを調べたり、複数のデータを掛け合わせて分析したりできます。
自治体サイトやお礼メール、返礼品に同封するチラシなど、登録の入口ごとにQRコードやURLを分けておけば、どこからの登録が多いかを比較できます。
また、「年代×興味のある返礼品」など、タグや友だち情報欄に蓄積したデータを掛け合わせて分析することも可能です。
こうしたデータをもとに、友だち登録の導線や配信内容を見直すことで、次の施策に活かしやすくなるでしょう。
まとめ
ふるさと納税にLINEを活用すれば、返礼品や地域の情報を継続して届けられ、寄付者との関係づくりにもつなげられます。
さらにLinyを活用することで、友だちに合わせた情報の出し分けや自動化、さまざまなデータ分析が可能になり、運用の負担を抑えながら、より効果的な情報発信を目指せます。
ふるさと納税でのLINE活用を検討している自治体の担当者の方は、ぜひ一度ご相談ください。









